広報に期待される役割は、企業の状況や世の中の潮流に応じて異なるもの。広報機能を新たに立ち上げる企業にはどのような戦略があるのか。2024年に広報関連の組織を新設した3社に、その背景や現在までの成果を聞いた。
SGホールディングス
長期ビジョン達成に向け組織改編
グループ各社の広報と連携強化し物流センター見学会実施
佐川急便を中核とする総合物流企業グループの純粋持株会社であるSGホールディングスは、2024年4月1日付でコーポレートコミュニケーション部を新設した。
コーポレートコミュニケーション部には、従来は組織が分かれていたIR機能、広報機能、コーポレートアイデンティティ(CI)の管理・推進機能、広告宣伝機能を集約。これにより、社内外への情報発信の戦略を推進する考えだ。
長期ビジョン達成に向け編成
コーポレートコミュニケーション部の新設は、同社の経営戦略に基づいた試みとなっている。
SGホールディングスグループでは2030年に向けた長期ビジョン「Growthe new Story.新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げており、このビジョンを達成するため、2030年度の売上高2.2兆円を事業目標としている。
同グループの事業の中核は佐川急便の宅配便事業であり、現時点では、宅配便事業の売上とそれ以外の事業の売上の比率は「7:3」ほどだという。「売上高2.2兆円達成のためには、宅配便事業の安...