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なぜ今、企業ブランドが重視されているのか?

インターナルブランディングとは、企業理念に基づく顧客志向の徹底である

  • 甲斐荘正晃(KAINOSHO 代表取締役)

企業で今、なぜブランディングに注力しようという動きが見られるのか。また、その中で広報部門はどのような役割が求められるのか──。インターナルブランディングの支援を手がけてきた筆者が解説する。

ブランディングといえば、これまで消費者を対象とするBtoCビジネスには必要でも、BtoBビジネスには縁のないものと考えがちでした。しかし、今や業種・業態を問わず、コーポレートブランドの構築に取り組む企業が急増しています。

広報会議編集部が2016年に実施した調査によると、広報活動の中で注力したいテーマとして「コーポレートブランドの管理」が上位に挙げられています(調査概要は下記、本誌2017年2月号参照)。また同調査では「企業ブランディングに関心がある理由」についても聞いており、図1のとおり「社内コミュニケーションの強化」がトップにあげられています。

BtoCビジネスの企業に限らず、BtoBビジネスの企業や、起業してまだ日の浅い企業でもブランディングへの注目が高まっています。このような企業行動の変化の背景には何があるのでしょうか。まずそこから探ってみたいと思います。

[図1]107社の広報部門に聞いた 企業ブランディングへの意識
出所:広報会議編集部「企業の広報・PR活動に関する調査 2017」(調査概要は下記)

【調査概要】
広報会議編集部「企業の広報・PR活動に関する調査2017」
調査方法 インターネット
調査対象 『広報会議』購読者・取材協力企業・株式会社宣伝会議が主催する広報関連講座への申込者
調査期間 2016年11月15日~12月15日
有効回答数 107

シマノが車内広告を出す理由

自転車に興味のある方ならば、自転車部品の雄・シマノの名前をご存じだと思います。世界中で高性能をうたう自転車メーカーにとって、シマノの部品を使うことはその自転車の優秀さを証明することにもつながります。市販の自転車を見ても、自転車のメーカー名かと勘違いするくらい、大きくシマノのロゴが表示されています。しかし、シマノはBtoCビジネスの企業ではありませんから、いくら自転車好きでも消費者が直接シマノの部品を買うことはありません。

先日、そのシマノの広告を電車の車内広告で見かけました。この広告のターゲットは誰なのでしょうか。それは消費者そのものでなく、自転車メーカーで部品を選ぶ仕事をしている設計者や、購買担当が広告のターゲットです。シマノは車内広告を使って「消費者もシマノの部品の優秀さをよく知っています。だからシマノの部品を使うことで自転車の売上が伸びますよ」というメッセージを送っているのです。

従来、メーカーで部品選定や購買を手がける担当者の情報源は、日ごろから接触のある部品メーカーの営業担当者が中心でした。ですからBtoBビジネスにとって広告を使った知名度の向上策というのは、あまり必要とされませんでした。

しかし、最近ではメーカーの購買担当者がウェブ上で検索して部品選定に必要な情報を得るケースが増えています。ウェブ検索はプル型の情報収集ですから、まずブランド名が認知されていなければ検索の対象としてもらえません。担当者の頭の中に自社が認知されていなければ、部品選定の土俵にすら上がれないのです。BtoBビジネスの世界でも、コーポレートブランド構築の必要性は日増しに高まっています。

BtoCビジネスの世界でも、コーポレートブランド構築の競争が激化しています。2004年、PCメーカーのレノボは、ThinkPadなどで知られていたIBMのPC事業買収を発表しました。買収した時点で既にレノボはアジア地域最大のPCメーカーとなっており、十分な開発力と製造力を持っていました。

しかしレノボが欲しかったのは、ThinkPadという世界で通用するブランドそのものだったのです。ThinkPadのブランドを手に入れた結果、レノボはPCのトップブランドとしての地位を確立させることに成功しました。

自転車部品メーカーのシマノはBtoB企業でありながら、「シマノの部品を使うことはその自転車の優秀さを証明することにもつながる」という強力なブランドイメージを構築している。

スタバとGEのブランド構築例

コーポレートブランドを構築するには2つの方法があります。エクスターナルブランディング(以下エクスターナル)とインターナルブランディング …

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この記事が含まれる特集

なぜ今、企業ブランドが重視されているのか?

『広報会議』100号記念企画の第二弾のテーマは「コーポレートブランド」。編集部が実施している企業の広報部を対象にした調査でも近年、関心が高まっているテーマです。

企業理念やスローガン、CIの刷新などに取り組んだものの、その後の認知や定着のプロセスに課題を抱えているという企業も多いのが現状ではないでしょうか。ステークホルダーが広がっている現在、広報関連部門がブランディングに寄与できること、そして取り組む意義とは。3社の実例と専門家による解説をもとに、考えます。

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