「器」を通じて、東日本大震災で被災した窯元を支援する味の素AGF。三重県にあるコーヒー工場で、メディアを招いた復興応援イベントを開催した理由とは?

AGF鈴鹿のコーヒー工場に、15組31人の親子が来場した。
東日本大震災発生から7年の節目を前にした2月25日(日曜)、AGF鈴鹿のコーヒー工場(三重県鈴鹿市)で、味の素AGFの復興応援イベント「コシノジュンコさんと世界にひとつだけの器をつくろう 親子で器の絵付け体験と工場見学」が行われた。震災に関連した報道が増えるこの時期、地域で復興応援活動に取り組む企業の事例として、地元メディアだけでなく全国の新聞やテレビで取り上げられた。
地元メディアをキャラバン
イベントは東日本大震災の発生を受けて2012年に開始した「AGF(R)『ブレンディ(R)』器の絆プロジェクト」の一環。コーヒーを飲むための"器"に注目し、被災した4つの窯元の修復を支援するとともに、被災地でコーヒーカップの制作を体験する親子陶芸教室を開いてきた。
被災地以外の地域での陶芸教室の開催は初の試み。企画を担当した事業戦略部マネージャーの三浦優子氏は「震災から年数が経つにつれ、参加者から『震災のことを忘れられてしまうのが何よりも怖い』という声を聞くようになり、地域での啓発活動も必要だと考えました」と明かす。そこで、三重県にあるAGF鈴鹿のコーヒー工場を会場に選んだ。
この工場ではPRイベントを実施すること自体初めてだった。そのため、当日のメディアの動線やコシノジュンコさんの入り方など懸念事項が多く、事前に一度現地に行き確認をしたという。広報部広報グループ長の秋森雅世氏によると、「アクセスが良い場所ではなかったので、メディアの方に来ていただけるかどうかも気がかりでした。当日に向けてAGF鈴鹿の広報担当とともに地元メディアのキャラバンにも行きました」。
当日は予想を超える計19媒体のメディアが参加。冒頭で挨拶をした代表取締役社長の品田英明氏は「器を通じて東北との絆を感じてもらいたい」などと想いを語った。秋森氏は「社長が自ら工場を訪れたことで、メディアの注目度も上がりました。AGFがこのプロジェクトにかける想いの強さも伝えることができたと思います」と振り返る …