検索1位でも、求職者には届かない 今後の企業活動に必須となる「採用AIO」

公開日:2026年9月01日

  • 藤澤專之介氏(SilverX)

求職者の意思決定を左右する場所が、検索結果からAIの回答へと移りつつある。採用サイトを磨き込んでも、引用されなければ求職者には届かないのが難点だ。現状に対応していくための「採用AIO」とは、どのような考え方なのだろうか。

    POINT

    ① 最適化のゴールは検索順位ではなく、AIの回答の中に「正確に、前向きに」登場すること
    ② AIが引用するのはむしろ自社サイトより第三者サイト。9割以上が第三者経由というケースも
    ③ AIが入ってきても「採用の3C」という本質は変わらない。土台なきAIO対策は空回りの原因に

採用AIOとは、求職者が利用するChatGPTやGeminiといった生成AIにおいて、自社の採用情報が正しく検出され、好意的に引用されるようにするための採用広報の最適化と、私は定義しています。これまでの採用SEOとの違いは、最適化する相手そのものが変わったことです。SEOのゴールは検索結果の上位表示と自社の採用サイトへのクリック誘導でしたが、AIOは、求職者にとってすでに相談相手のような存在になっている生成AIに向けた最適化を指します。AIの回答の中に自社を入れてもらい、正確に、前向きに登場してもらうことがゴールです。企業と求職者のダイレクトなつながりだったところに、AIという1つのエージェントを介する形になった、と捉えるとわかりやすいと思います。

「検索1位」だとしても

この変化を裏づけているのが、就活生における生成AI利用率です。2027年卒の学生では、約9割が何らかの形で就職活動において生成AIを使っているというデータがあります。もともとはエントリーシート作成や面接対策、自己分析での利用が中心でしたが、今は企業研究や企業比較の場面でもよく使われています。

決定的だったのは、検索結果の最上位に、広告よりも先に表示される「AI Overviews」の登場です。検索で上位に入っているからといって、必ずしもその回答に引用されるとは限りません。一説によると、検索上位の情報がAI Overviewsに引用される割合は、ものによっては10%程度になってしまうケースもある。検索1位でも、AIのおすすめになるとは限らないというのが、この半年から1年で急速に起...

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採用サイトや求人媒体、会社説明会だけでなく、SNS、オウンドメディア、社員による発信、さらには生成AIまで。候補者が企業を知り、理解する接点は広がっています。新卒・キャリアといった採用区分だけでなく、リファラルやアルムナイ、そして「今すぐ転職しない人」も、将来の候補者になり得ます。だからこそ重要になるのが、個々の施策から考えるのではなく、「誰に、何を、どう伝えるのか」を起点に、候補者との接点全体を捉えることです。その時すぐに応募へつながらなくても、企業への理解や関心を少しずつ育み、数年後の選択肢になることもある。採用コミュニケーションには、より長い時間軸が求められています。本特集では、「マーケティング発想」を手法ではなく、課題や対象を定め、接点を設計し、社内で連携しながら実行・改善するための思考プロセスとして捉えます。人事と広報・マーケティングの連携、企業ならではの体験や物語、AI時代の情報設計などから、これからの採用コミュニケーションを考えます。

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