企業の意思決定を問い直す 良い判断を支える組織と文化

公開日:2026年10月05日

  • 並木将仁氏(テロス・エロス・エトス)

会社は、施策によってのみ動くものではありません。人が集まり、日々の意思決定と行動を積み重ねることで、組織としてのあり方が形づくられていきます。本連載では、企業における意思決定を、個々の判断にとどまらず、組織や文化として、そして企業価値にも影響を及ぼす経営の営みとして捉え、そのあり方を考えます。

企業が社会に提供する価値や存在意義が、ブランドを考えるうえで重視されるようになりました。一方、価値観が多様化し、「何が正しいか」をめぐる共通認識が揺らぐ中では、パーパスを掲げるだけでは答えを出せない場面も増えています。

第2回では、企業が自らの「正義」をどう定め、意思決定として示していくか。その積み重ねがブランドに与える影響を考えます。

ブランドに問われる「正義」

かつてブランドは、商品の機能や品質、価格といった価値を中心に語られてきました。その後、情緒的な価値やブランドをめぐるストーリーが重視されるようになり、現在では、企業が社会にどのような価値を生み出すのか、何のために存在するのかというパーパスや社会的な意義も、ブランドを形づくる重要な要素になっています。

ただ、ストーリーテリングそのものは、どちらかといえば技術的な問題です。創業者の思いや事業の背景をどう伝えるかはもちろん重要ですが、より本質的なのは、その企業が世の中にどのような価値を生み出そうとしているのか。そして、何を「正しい」と考えているのかということです。

前回、より良い意思決定...

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