日本気象協会ではデジタル化が進む今も、紙の社内報を発行し続けている。背景にあるのは、専門性の高い組織だからこそ職員の顔や想いを見える化し、社内のファンを育てたいという考えだ。10年にわたり地道に進めてきた“完全内製”のコミュニケーション施策とその効果について聞いた。
Point1
紙の社内報を各拠点に掲示。広報委員との情報循環をつくる
Point2
noteで“顔が見える” 発信を外部化。採用や取材機会にも波及
Point3
家族向けオフィスカミングデーを開催。社内外のファンづくりを継続
日本気象協会は、気象の専門家集団として知られる一般財団法人。収益性を求められないと思われがちだが、実際には民間企業と同様に自ら収益を上げ、成長と社会貢献を目指している。
同社広報室の加藤綾子氏によれば、同法人の経営は「働きやすくて収益も伸びる組織」を目指しており、そのためにはチャレンジしやすい組織文化と、それを支える社内コミュニケーションが不可欠だという。広報室は2017年から理事長直轄の部門として配置されており、自律的に動く横断組織として活動を続けている。
壁新聞スタイルの社内報
広報室が手がける社内コミュニケーション施策のひとつが、紙の社内報「Harmonability style」(通称・ハモスタ)。2016年4月の創刊から今年でちょうど10年目を迎える定番コンテンツだ。A判の大判用紙に壁新聞スタイルで、社内の各所に掲示する形式を取っている。約2カ月に1度の発行で、読了まで3~5分ほどのボリュームに抑えた。
コンセプトとして最も重視したのは「顔が見える」ことだ。加藤氏は「技術力が強みの会社なので、コーポレートサイトには技術の情報が充実しています。一方で、誰がどのような想いで仕事をしているかがあまり見えていませんでした。法人としては、“人こそが財産”という認識で活動していますので、まずは顔が見える施策を展開したかった意図があります」と振り返る。集合写真やインタビューを多く取り入れ、経営層から現場スタッフまで...


