広報担当者にとって日常業務であるプレスリリース。しかし、情報があふれる今、その役割はメディア向けの告知にとどまらず、生活者やAIまでを見据えた設計が求められている。“当たり前の業務”になってしまっている今こそ、その価値を再定義したい。
プレスリリースを作成することにおいて、根底にある重要なことは何でしょうか。この問いに対して、私たちは社内で「Love You」という言葉をよく使います。プレスリリースとは、届ける相手に「Love You」を伝えること。言い換えれば、その情報が、相手にとって伝わるものになっているか。私たちはお客さまと対話する際にもこの点を非常に大切にしています。
広報や宣伝活動というと、「私を知ってほしい」「私を見てほしい」という「Love Me」の側面が強いと認識されがちです。もちろん、それもプレスリリースの重要な役割のひとつではあります。しかし、当社が重要と考えているのは、「私を好きになって」とアピールする以上に、「あなたのことが好きです、大切に想っています」という気持ちが読み手にきちんと伝わるかどうか、という視点です。
言い換えるならば、「受け手に対する想像力を限界まで働かせる」ということでしょうか。情報を受け取る相手が何を求めているのか、どうすればポジティブな感情、例えば喜びなどを感じてもらえるのか。そこを突き詰めて情報発信ができるかどうかが、プレスリリースにおいては非常に重要だと考えています。これは単なるテクニック論以上に、相手に受け取ってもらいやすくするための“情報のホスピタリティ設計”と言うべきもので、これからの時代にますます重要になってくると感じています。
10年でリリース内容も変化
前述のホスピタリティ設計が重要になる背景には、近年のプレスリリースを取り巻く環境の大きな変化があります。特にここ5年ほどで、その届け先は劇的に多様化しました。
もともとプレスリリースは、メディアに情報を発信する手段という側面が強く、商習慣としてもそのように認識されていました。しかし、特にコロナ禍以降、「生活者に直接届ける」「AIに参照される」という意識が、肌感覚としても非常に高まっています。これにより、マーケティング側面での活用も著しく増加しました。
最近では「AIO(AI Optimization)」という言葉も、特に昨年末頃から盛んに聞かれるようになりました。当社のお客さまからも「AIに参照されるにはどうしたらいいか」「AIの回答に表示させたい」といったお問い合わせが明らかに増えています。情...


