課題を捉え直し、施策を更新する 江崎グリコ 「Co育て」の歩み

公開日:2026年9月08日

  • 江崎グリコ

育児に向き合う社内制度の導入から、管理職による保育体験へ。江崎グリコは、社員の声を拾いながら、その時々の課題に応じて施策を更新してきた。「いきなりHowに行かない」という考えのもと、人事と広報が連携して進めるコミュニケーション設計を聞いた。

「人事制度は、つくっただけでは広がりません。社内コミュニケーションまで含めて設計する必要があります」と、同社グループ広報部 戦略広報グループ グループ長の宮崎友恵氏は話す。

男性の育児休業取得を促進する企業が増える一方、制度を整備しても社員に十分浸透しないケースは少なくない。宮崎氏も、他社の人事担当者からそうした悩みを聞くことがあるという。

「イントラネットに制度を載せただけになっていないか。コミュニケーションを人事だけに任せていないか。広報に社内コミュニケーションの役割があるなら、人事と一緒に考える必要があります」(宮崎氏)。目指す状態と現在地を確認し、課題と打ち手を考え、その後も状況をモニタリングする。さらに各部門との関係を築き、現場を巻き込んでいく。制度そのものだけでなく、浸透まで含めた設計が必要だという。

さらに宮崎氏は、人事と広報の連携だけで完結させないことも重視する。例えば製造部門の規模が大きければ、実際に制度を利用する社員やその上司がいる製造部門とも関係を築く。施策を担う部門だけで考えるのではなく、影響を受ける現場まで含めてコミュニケーションを設計することが、浸透につながると考えている。

江崎グリコが2019年に開始した「Co育て PROJECT」の背景にも、こうした考え方がある。同社は創業以来、子どもの健やかな成長と関わってきた。その歴史を踏まえながら、社会や働き方が変わる中で、新たにどのような課題に向き合うべきかを考えた。

こうした背景から、社内においても育児をめぐる取り組みを進めてきた。重要なのは、男性育休の取得そのものを目的にしなかったことだ。「男性育休は手段です。会社としてどうなりたいのか、そのためになぜこの取り組みをするのか。そこからストーリーを描かないと、社員には伝わりません」と宮崎氏は話す。自社の理念や事業とのつながりから、「なぜ自分たちが取り組むのか」を解きほぐすことを重視した。

取り組みを進める上では、経営層のコミットメントも重要だった。経営トップ自身が、多様な働き方や育児への問題意識を持っていたことも後押しになったという。一方、トップが方針を示すだけでは、現場への浸透にはつながらない。人事などが各部門の状況を確認し、そこで得た声をコミュニ...

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