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2018年版 危機管理広報&炎上対策

経営者の記者対応で明暗 日産とSUBARUの検査偽装問題 

自動車業界で近年、不正が相次ぐなか新たに浮上した日産自動車の検査偽装。業界内では「制度が古すぎる」「安全性や人命に影響はない」といった見方もあるが、広報対応の“隙”によって消費者が大手のブランドに不信感を抱く事態を招いている。

問題の経緯

9月29日

日産自動車は国内工場で不正に無資格者が完成検査を行っていたことを発表、在庫販売を一時停止した。10月2日に西川広人社長が記者会見で謝罪したが、その後も無資格検査が行われていたことが発覚。19日には国内工場での出荷停止を発表。さらに27日にはSUBARUも無資格検査が常態化していたことを発表し吉永泰之社長が会見を開くなど、検査偽装が相次いだ。

日産が発端となった、自動車の無資格検査問題。11月17日には同社が国土交通省に最終報告書を提出し「38年前から不正があった」と明らかにした。SUBARUも同16日に39万5000台のリコールを届け出ており、その後も関連の報道が続いている。

自動車業界を取材する記者からは「過去に発生した三菱自動車のリコール隠しの初期対応などに比べれば、日産もSUBARUも手順どおりの情報開示をしていた」「そもそもルール自体が現場の実態に即していない面もある」など同情の声も聞かれたが、一般の消費者の見方は厳しい。

今回、特集にあたり編集部が20~60代男女1000人に実施した調査では、日産が「2017年に最もイメージダウンした不祥事」の3番手となった(ちなみにSUBARUは9位だった)。自由回答を見ると「経営陣の考えが甘い」「日本ブランドの失墜」など、厳しい見方が大勢を占めている。危機管理広報の専門家らからも、複数の問題点が指摘されている。

初回の会見が失敗の始まり

危機管理コンサルタントの白井邦芳氏は、日産について「経営トップの姿勢が会見を通じて企業全体に悪影響を与えていると認識された例」と指摘する。「製品の品質・安全・安心に問題がなければ、工程の変更やルールの緩和は多少許されると考えている経営者の姿勢が伝わった」といい、10月以降の社長の会見からも「謝罪」の姿勢が感じられない点を問題視した ...

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2018年版 危機管理広報&炎上対策

東芝、タカタ、そして日産自動車や神戸製鋼の問題に至るまで、日本ブランドのものづくりの信頼が揺らぎ、企業風土やコンプライアンスが問われる事態が続いています。さらに社会全体が「働き方改革」「働きやすい会社」を追い求めるなか、企業のブランドを形成する広報の役割はどうなるのか。危機管理広報のノウハウを交えながら、考えていきます。