近年、コンテンツやIPとコラボしたコンテンツツーリズムで観光客誘致を狙う自治体が増加している。しかしその裏側には、「思ったような成果につながらなかった」「コラボしたことによって、むしろ自治体とファンの関係が悪化してしまった」という事例も存在する。しかし、その事例は本当に失敗と言ってしまってよいのだろうか。解決策が存在していれば、大きな成功に結び付いた可能性も捨てきれない。本記事では、聖地巡礼に関する研究を行う近畿大学総合社会学部教授の岡本健氏に、成功事例と失敗事例を比較しながらその要因を振り返ってもらった。
本題に入る前に、1つ注意があります。それは、コンテンツツーリズムについては、成功と失敗を簡単に断じることはできないということです。特に、失敗と断じることには慎重になる必要があります。
過去にはインターネット上の言説やマスメディアによる報道などによって、事実と異なる「失敗」イメージを植え付けられた事例があります。そのような表面的な情報を信じて企画を立てたり、今後の施策の判断を行ったりするのは、実に恐ろしいですよね。
プロフェッショナルである読者の皆さまは、「その先の情報」を収集してこそだと思います。コンテンツツーリズムには、様々な関与者がおり、考えるべき項目も多い。それぞれが複雑に絡み合っています。作品によって、地域によって、時期によって、その状況は大きく異なり、既存のコンテンツツーリズムの取り組みを真似すれば同様の成果が得られるわけではありません。本稿では、単純な「成功例」「失敗例」だけではなく、事例を見る際の「考え方」までお伝...

