2025年の消費者の購買行動を振り返り、博報堂買物研究所の副所長・飯島拓海氏は、買い物が「人間だけの意思決定」ではなくなり、AIやアプリが購買の意思決定に深く入り込む局面が来ていると見ている。重要なのは、変化を“点”で捉えず、生活者の「納得」「時短」「安心」「発見」を同時に満たす売り場へ再設計することだという。
この1年で最も象徴的だった変化は、「AIと話してから買いに来る」ショッパーが現実に増え始めたことです。メーカーや小売業が対峙するショッパーは、人間だけでなくAIにも拡張し始めています。海外ではAIエージェントが決済を担う技術をはじめ、エージェンティックコマースに注目が集まっています。日本でも、2025年の博報堂買物研究所(以下、買物研)による調査では、生成AIのプライベート利用が26%で、そのうち買い物用途が8%という結果に。数字だけ見るとまだ小さく見えますが、“兆し”としては十分に大きいです。なぜなら、ここから先は「自分が買う理由を固める相棒」としてAIが使われ始めると考えられるためです。これを受け、買物研は新購買行動モデル「DREAM」を提唱しています(図1)。
図1 博報堂買物研究所が提唱する「AIエージェントと共に暮らす時代の購買行動モデル」...


