安くて強い店をつくる 日高屋“600店舗”への挑戦

公開日:2025年8月07日

  • 青野敬成氏(ハイデイ日高)

安くて、早くて、うまい。そんな日常使いの飲食店・日高屋を支えるのは、アルバイトから社長に就任した現場肌の経営者、青野敬成氏だ。キャッシュレス化やタッチパネル導入をはじめ、非接触・省人化への先手を打ち続けた結果、コロナ禍でも安定した経営を実現。さらに今、駅前中心だった出店戦略に加えて、郊外・ロードサイドにも着手し、“600店舗構想”に本格的に踏み出している。価格高騰の時代にあっても、あくまで「安くて満足できる外食」を提供し続ける。その裏にある現場起点の発想と、多くの顧客に愛され続ける秘訣とは。

ハイデイ日高
代表取締役社長
青野敬成氏

何があっても「精進する」社長就任時に持っていた思い

──アルバイト出身で、さらには創業家以外から初めて社長になられました。

私が日高屋で最初に働いたのは19歳のときです。その後、1999年に正社員として入社し、現場と本部を行ったり来たりするようなキャリアを歩んできました。そういう意味では、昇進に昇進を重ねるような、順風満帆なキャリアだとは言えないかもしれません。

ですが、本部と現場を交互に繰り返し見ていると、両者の良さと課題を把握できるようになりました。日高屋の価値も乗り越えなければならない壁も、それらの本質が見えるようになったと言いますか。組織全体を俯瞰する視点と、現場に寄り添う目線をどちらも持てるようになったのは、この経歴のおかげだと思っています。

そんなキャリアを歩んできましたが、社長になったのは2022年。ちょうどコロナが落ち着き始めたタイミングのことでした。正直なところ、社長を任されるとは思っていなかったんです。

ですが、どんな結果を言い渡されたとしても、「精進」という言葉は大事にしたいと思っていました。この「精進しなさい」という言葉は、私の親から伝えられたものです。自分が、岐路に立たされていると相談したときにこの言葉を聞いて、...

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