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弱き者の立場が、ファンたちの心を動かす

映画『この世界の片隅に』。主役の「のん」が主要メディアに不遇な扱いを受ければ受けるほど、ファンたちは燃える。

イラスト:高田真弓

映画『この世界の片隅に』が異例の盛り上がりを見せている。

昨年11月の封切当初はわずか63館の小規模な公開だったが、口コミで火が着き、徐々に上映館数を拡大。今年2月には累計300館を突破、興行収入も遂に20億円を超えた。大ヒットである。

この映画は、こうの史代さんの同名漫画を原作に、片渕須直監督が手がけたもの。とはいえ、企画当初はスポンサーに内容を理解してもらえず、資金調達のメドが全く立たなかったという。そこで苦肉の策で、クラウドファンディングで資金を集め、パイロット・フィルム(見本版)を作り、見てもらおうと考えた。

さて、ここからがいよいよ本題である。制作費用2000万円を目標にクラウドファンディングを始めたところ――予想を上回る2倍近くの支援金が集まったのだ。これが話題となり、東京テアトルを始め、出資会社が次々と名乗りを上げ、晴れて映画制作が決定する。

物語は戦時中、軍港の街・呉(広島)に嫁いできた、18歳のすずの暮らしを描いたものである。戦時の話というと暗くなりがちだが、そこまでの悲壮感はない。たまたま生きた時代が戦争と重なった一人の女性が、一生懸命にごく普通の生活を営もうとした話である。

片渕監督は、そんな喜劇性と繊細さを併せ持つヒロインの姿に、NHK朝ドラ『あまちゃん』でヒロインを演じた能年玲奈(現・のん)さんを重ね ...

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