体験型展示でコミュニティの活性化を図る「BEAMS JAPAN」の“応援熱”を高める企画術

公開日:2025年10月02日

  • 佐野明政氏(ビームスクリエイティブ)

日本のモノ、コト、ヒトを応援し、日本の様々な魅力を国内外に発信する事業「BEAMS JAPAN」。そのプロデューサーとして「大名古屋展」「BEAMS SOCCER」といった、地域愛・スポーツへの熱量を軸にした企画を担当してきた佐野明政氏が語る、日本のこだわりに価値を感じてもらうための企画術とは。

ビームスが2016年から、「日本のこだわりから生まれたモノ・コト・ヒトを繋げる場所」というテーマのもと展開してきた「BEAMS JAPAN」。スタート当初は、日本国内の生活者に改めて日本の魅力に気付いてもらいたいと考えていたが、現在は訪日観光客にも日本の魅力が伝わる事業に進化しつつある。

さらに2022年からは、国内の名所である出雲や日光などで、土地の人々や事業者と協力しながら店舗運営を行う「BEAMS JAPAN GATE STORE」プロジェクトを始動。地元事業者と一緒に開発した限定商品などを扱い、地元にゆかりのある販売スタッフらがその土地の魅力を紹介している。

(上)「大名古屋展2025」で実施した参加型展示「いいじゃんなごや」。自分の...

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「買いたい」の理由は“応援”へ

「モノ消費」や「コト消費」、そして「イミ消費」の登場に見られるように、消費のあり方は時代とともに多様化し、常にかたちを変えてきました。そんな中で、いま生活者の購買行動を突き動かしているのは、「誰かを応援したい」「共感したから買いたい」といった感情のスイッチです。企業やブランド、地域、クリエイターなどへの“応援消費”が、世代を問わず広がりを見せています。いわゆる“推し活”もそのひとつと言えるでしょう。この新しい消費の原動力となっているのが、共感の熱量です。SNSでの発信、クラウドファンディング、サブスク支援、グッズ購入、リアルイベントへの参加──。その行動の背景には、誰かの“想い”に心を動かされ、自らの意思で選び取る消費の姿があるのではないでしょうか。本特集では、「応援」を軸にした最新の購買行動の潮流をひも解きながら、企業やブランドが生活者の“共感”をいかに設計し、販促・プロモーションへとつなげていくべきかを探ります。

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