サブスクリプションサービスやリワードプログラム、ブランドアプリ、そしてOMO……。私たちの暮らしの中で、デジタルを通じて「選び続ける体験」は日常の一部となりつつあります。そんな時代において、企業に求められているのは一過性の販促施策だけではなく、顧客との長期的な関係を築き、LTVを高めていく仕組みづくりです。
そこで鍵を握るのが「カスタマーエンゲージメントプラットフォーム」や「ロイヤルティプログラム」、「ファンコミュニティ」です。購買履歴や会員情報などのデータを統合し、個々の顧客に合わせた体験を提供することで、“また利用したくなる理由”を生み出します。
本特集では、メーカーと小売、それぞれの立場から実践される最新のエンゲージメント施策を紹介しました。プラットフォームの進化がどのように顧客との絆を深め、ブランド価値を高めているのか。その現場から、次なる販促戦略のヒントを探りました。
また選ばれるための鍵は顧客体験の“習慣化”と“観察”
生活者がデジタルを通じて日々新しいブランドやサービスに出会う今、企業に求められているのは“一時的な購入”ではなく、“また選ばれる仕組み”をつくることです。本特集ではまず、博報堂の中川悠氏とチュチュアンナの西岡和也氏、立場の異なる2人に「なぜ今、『買い続けたくなる仕組み』が必要なのか」を聞きました。そこで2人が語ったのは、いずれも「顧客との関係を長く育てる」ための共通した視点でした。
まず、中川氏は生活に根づく“習慣”を生み出す必要性を感じ、持続的なブランド体験を設計するための手法として...
