2024年11月、東京・亀有の高架下に誕生した「SKWAT KAMEARI ART CENTRE(以下、SKAC)」は、アートやデザイン、建築や食、音楽、そして人々の営みが交差する、ユニークな複合文化施設だ。SKACは、“社会のVOIDを時限的に占有し、一般へ解放する運動”「SKWAT」の一環である。ジェイアール東日本都市開発が手がける高架下再開発プロジェクトと手を取り合い、「ただの通り道」だった場所を「目的地」へと変貌させている。
空間デザインは、CIBONE AoyamaやArtek Tokyo Storeなどの設計を担当したことで知られている「DAIKEI MILLS」が手がけている。
JR常磐線の亀有駅と綾瀬駅の間、およそ800mにわたる高架下。この一角には、かつて倉庫や工場が立ち並んでいた。この空間を再生した文化拠点が「SKAC」。2024年にオープンした今話題のスポットだ。これまで人の行き来が少なかったこの場所は、今では地域住民から観光客まで幅広く訪れる、開かれた交流の場へと変貌を遂げつつある。
高架下というVOIDで見つけた魅力とは
この再開発を担うのは、ジェイアール東日本都市開発による「ぽちかめ」プロジェクト。「さんぽみち」と「かめあり」を組み合わせた造語で、駅前のにぎわいを住宅地や高架下にも広げ、街全体に新たな流れを生み出そうとする取り組みだ。単なる建物の整備ではなく、「地域に開かれた公園のような空間づくり」を目指しているという。
「以前この一帯は倉庫や工場が立ち並び、一般には開放されていなかったエリアでした。この場所を、地域とつながる“余白”として生まれ変わらせたい。そう考えて、空間づくりを進めました」と、同プロジェクトを担当するジェイアール東日本都市開発の岡室菜摘氏は話す。
そんな「ぽちかめ」を代表する空間が芸術文化センター「SKAC」。手がけたのは、東京を拠点に活...
