オープンファクトリーブームで共感消費が加速 工芸品を生活に取り入れるハードルを越える方法は?

公開日:2025年10月01日

  • 佐藤菜摘氏(中川政七商店)

2007年から「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ、日本の工芸とそのつくり手を応援してきた中川政七商店。全盛期に比べると工芸品の生産額・従事者数は減少している一方で、日本の工芸品を応援したいという人は増えていると話すのは、同社 コミュニケーションデザイン室 室長の佐藤菜摘氏だ。中川政七商店が考える “共感消費” の力とは。

(上)中川政七商店が2017年にRENEWと開催したオープンファクトリー「RENEW×大日本市鯖江博覧会」。(下)中川政七商店のロングセラー商品「食洗機で洗える漆椀」。現代の家庭で扱いやすいよう、耐久度の高い天然漆や硬化塗料を塗り重ねて誕生した丈夫さが人気を集めているという。

1716年に麻織物の問屋として創業した中川政七商店。2007年には「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを制定し、オリジナル商品の開発から直営店・ECサイトの展開、工芸メーカーに対する経営・流通支援を行っている。

日本工芸を取り巻く現状31.1%が興味あり

中川政七商店が工芸メーカーの経営支援をはじめたきっかけは、工芸メーカーの廃業が相次いだこと。自社工場を持たず、全国800近くの工房や職...

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「買いたい」の理由は“応援”へ

「モノ消費」や「コト消費」、そして「イミ消費」の登場に見られるように、消費のあり方は時代とともに多様化し、常にかたちを変えてきました。そんな中で、いま生活者の購買行動を突き動かしているのは、「誰かを応援したい」「共感したから買いたい」といった感情のスイッチです。企業やブランド、地域、クリエイターなどへの“応援消費”が、世代を問わず広がりを見せています。いわゆる“推し活”もそのひとつと言えるでしょう。この新しい消費の原動力となっているのが、共感の熱量です。SNSでの発信、クラウドファンディング、サブスク支援、グッズ購入、リアルイベントへの参加──。その行動の背景には、誰かの“想い”に心を動かされ、自らの意思で選び取る消費の姿があるのではないでしょうか。本特集では、「応援」を軸にした最新の購買行動の潮流をひも解きながら、企業やブランドが生活者の“共感”をいかに設計し、販促・プロモーションへとつなげていくべきかを探ります。

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