入口に“主役キャラ”を固定しない理由 SEGA STORE TOKYOが目指した“移り変わる売り場”

公開日:2026年6月30日

  • 菊池賢哉氏(セガ)

セガが国内初の公式旗艦店「SEGA STORE TOKYO」をオープンした。ゲーム、映像、ライブ、LBEなどでIPを広げる同社にとって、リアル店舗は単なる物販の場ではない。ファサードや照明を変化させる可変性、ファンをがっかりさせない在庫管理、スタッフのIP理解まで。店舗体験を支える細部にはどのような意図があるのか。リテール部の菊池賢哉氏に聞いた。

数々のゲームタイトルを生み出してきたセガが2025年7月、国内初の公式旗艦店「SEGA STORE TOKYO」を渋谷パルコ6階「CYBER SPACE SHIBUYA」にオープンした。同社は2026年4月に「リテール部」を新設。常設店舗やポップアップを通じたリテール事業を本格化させている。

背景にあるのは、ゲームにとどまらず、映画、ドラマ、ライブ、LBEなど多様な接点でIPを広げる「トランスメディア戦略」だ。リテール部の菊池賢哉氏によると、その戦略の中でリアル店舗は、単に商品を販売する場所ではなく、セガのエンターテインメントを生活の中に届け、ファンの声を受け取る接点として位置づけられている。

「リアル店舗は、ライセンスビジネスの循環を高めつつ、多岐にわたるセガのエンターテインメントを、お客さまの生活の中へ届けていくための接点です。同時に、お客さまと直接コミュニケーションができる場所でもあります。お客さまがどんな反応をしているのか、どんな要望があるのか。その声を吸い上げ、商品開発や店舗オペレーション、他事業との連携にも生かしています」(菊池氏)。

SEGA STORE TOKYO

SEGA STORE TOKYOのレジ上に掲げられている「Empower the Gamers(感動体験を創造し続ける)」という言葉は、セガの企業ミッション。店舗のコンセプトを考慮するにあたり、まずこのミッションから「セガらしさ」を解釈したという。

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世界観を店舗空間に翻訳する IPと店舗デザイン

ECの普及やデジタルシフトが進む中、リアル店舗の役割は「単にモノを買う場所」から「その空間でしか味わえない、特別な体験を受け取る場所」へと変化しています。その代表的な例が、アニメ、ゲーム、マンガ、映画などの強固なファンベースを持つ、IP/コンテンツホルダーの店舗です。それらの店舗は、単にキャラクターグッズを並べているわけではないはずです。五感を刺激する空間演出、作品の世界観とズレがない内装デザイン、ファン心理をくすぐる商品展開、自然とSNSシェアを促す仕掛け、そして「何度も訪れたくなる」“拠点”の構築まで、ファンを魅了し続けるための「細部への圧倒的なこだわり」が存在するのではないでしょうか。本特集では、独自の世界観をリアルな店舗空間へと翻訳し、ファンに愛される店舗づくりの裏側にある「創意工夫」と「想い」を紐解きます。空間デザイン、動線設計、限定性の演出、ファンとのつながりを深める仕掛けなど、単なる物販ビジネスの枠を超えた「ファンなら何度でも必ず訪れたくなる店舗」のつくり方のヒントを探ります。

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