販売・接客の現場で輝くキーパーソンに迫る本企画。今回は、丸の内「食堂サムシン」の阿部勝雄さんに取材。アパレル販売員から飲食業へ転身し、20年以上“人と向き合う接客”を磨いてきた阿部さんに、食堂サムシンで大切にする「記憶に残る接客」の哲学を聞いた。
ウェイブズ
執行役員
サムシン業態担当マネージャー
阿部勝雄氏
高校を卒業後、アパレル業態の販売員として接客業をスタート、6年間勤務し接客業の楽しさを知る。その後飲食業に転身。2012年、ウェイブズに入社。コロナ禍のタイミングで食堂サムシンを開業、2号店の焼鳥さむしんも隣にオープンした。
接客の原点は「名前を覚えてもらう」ことから
──まずは阿部さんのご経歴を教えてください。
最初に働いたのはアパレル業界でした。販売の仕事というと“一見、商品を売ること”が目的のように思われますが、実際は「お客さまが買いたくなる理由をつくる仕事」だとアパレル店員をしながら感じていました。
そんな思いを持ってお店で働いていると、お客さまの購買動機は服自体の価値よりも、「誰から買うか」に左右される部分が大きいと気づきました。
当時は個人の名刺がなかったため...

