ニチレイフーズは、冷凍食品をサステナブルな社会を支えるテクノロジーとして再定義しようとしている。同社は1970年の万博以来55年ぶりに出店し、実証型レストラン「テラスニチレイ」を通じて“フローズンポジティブ”という新たな価値観を提唱した。アフター万博では、この成果を同社の資産として活用し始めている。今回、その挑戦の裏側について、マーケティンググループマネジャー兼テラスニチレイ店長の原山高輝氏に話を聞いた。
ニチレイフーズが万博に出店するのは、実に55年ぶりのこと。前回出店した、1970年の大阪万博当時はレストラン「テラス日冷」を営業していた。今回の万博プロジェクトは、その記録を社内で読み返すことから始まったと、同社のマーケティング部の原山高輝氏は語る。「1970年当時の社内報を見ると、“これから外食が流行する”と書かれていました。1970年代といえばマクドナルドやケンタッキーが日本に上陸した、いわゆる『外食元年』。冷凍食品が業務用として普及するきっかけになったのが万博でした。だからこそ今回の万博も、冷凍食品がもう一段ジャンプアップする機会にしたかったんです」(原山氏)。
その想いのもと、今回ニチレイフーズは2つの形で万博に関わった。
ひとつは、小山薫堂氏が手がける「EARTH MART」への協賛だ。食を通して未来社会を描くというシグネチャーパビリオンの理念に、ニチレイフーズの「冷凍の技術で未来の食を支えたい」という思いが重なった...


