独特な世界観への没入を促す“本気”のつくり込み リアリティと遊び心で魅せる「祝閉店!可哀想に!デパート」

公開日:2026年7月07日

  • 阿部瑞季氏(世界研究所)

「祝閉店!可哀想に!デパート」は、実在の百貨店を思わせる売り場や販促物を細部まで表現し、随所に遊び心を忍ばせた体験型展示だ。既存の物語やキャラクターを前提にしない展示でありながら、なぜ来場者の満足度を高める体験になっているのか。企画・製作を手がけた世界研究所の阿部瑞季氏に聞いた。

外観の様子。横浜駅直結のスカイビルB1・B2Fをまるごと用いて、架空のデパートを体験できる空間をつくった。

「祝閉店!可哀想に!デパート」展は、デパ地下やレストラン、高級ブランド、ファッション、メイクフロアから、警備室やインフォメーションまで架空のデパートを再現した、2フロア構成の展示。全20コーナー・100点以上の展示物を通じて、クリエイター「可哀想に!」の世界観を体験できる。

本物の百貨店を思わせる空間でありながら、随所には「可哀想に!」らしいユーモアや...

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ECの普及やデジタルシフトが進む中、リアル店舗の役割は「単にモノを買う場所」から「その空間でしか味わえない、特別な体験を受け取る場所」へと変化しています。その代表的な例が、アニメ、ゲーム、マンガ、映画などの強固なファンベースを持つ、IP/コンテンツホルダーの店舗です。それらの店舗は、単にキャラクターグッズを並べているわけではないはずです。五感を刺激する空間演出、作品の世界観とズレがない内装デザイン、ファン心理をくすぐる商品展開、自然とSNSシェアを促す仕掛け、そして「何度も訪れたくなる」“拠点”の構築まで、ファンを魅了し続けるための「細部への圧倒的なこだわり」が存在するのではないでしょうか。本特集では、独自の世界観をリアルな店舗空間へと翻訳し、ファンに愛される店舗づくりの裏側にある「創意工夫」と「想い」を紐解きます。空間デザイン、動線設計、限定性の演出、ファンとのつながりを深める仕掛けなど、単なる物販ビジネスの枠を超えた「ファンなら何度でも必ず訪れたくなる店舗」のつくり方のヒントを探ります。

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