商品を覚えていても、必ずしも人は買うわけではない。記憶に残ることと、実際に行動に移ることは別だからだ。では、人はどこで迷い、どんな条件が揃うと動きやすくなるのか。脳科学の視点から見ると、そこには認知負荷や情報処理の仕方が深く関わっているという。
脳科学が追求するのは「買うまでの過程」
従来のマーケティング調査では、施策を打った結果として、アンケートの回答内容や、そこから読み取れる購買行動を分析することが多かった。もちろんそれでも、施策が当たったかどうかはある程度わかる。だが、ブランドを見つけてから購入に至るまでの“あいだ”に、生活者の頭の中で何が起きていたのかまでは見えづらかった。
ここで昨今注目されているのが、脳科学を活用したマーケティングだ。脳科学に詳しい立命館大学大学院の枝川義邦氏は、脳科学の特徴を「インプットとアウトプットのあいだにあるプロセスを見ること」だと説明する。心理学や従来の調査手法では、ある意味で「知る」から「買う」までの過程がブラックボックスのままでも成立してきたのに対し、脳科学は...

