前例のなかったモバイルバッテリーシェアリング どこでも見かける「CHARGESPOT」は、どうつくられたのか

公開日:2026年2月16日

  • 秋山広宣氏(INFORICH)

モバイルバッテリーのシェアリングサービス「CHARGESPOT」を、街なかで見かける機会が増えてきた。駅やコンビニ、商業施設など、気づけば身近な場所に設置されていると感じている人も多いのではないだろうか。しかし、事業を開始した2018年当時、モバイルバッテリーシェアリングは、国内では前例のないサービスだった。なぜここまで定着したのか。本記事では、INFORICH代表取締役社長の秋山広宣氏に、CHARGESPOTを“どこでも見かける存在”へと育てた戦略と経営判断、そして見据える次のフェーズについて聞いた。

INFORICH
代表取締役社長兼
執行役員 Group CEO
秋山広宣氏

香港生まれ日本育ち。2007年にユニバーサルミュージックで3カ国語を駆使したアーティストとして活躍。2012年に香港に移り住み、福岡県香港駐在事務所顧問、2014年にマザーズ上場をした株式会社IGNIS設立時の海外事業室長など、日本企業の香港誘致、M&Aなどのクロスボーダービジネスのコンサルティング業を担う。2015年にINFORICHを創業。現在CHARGESPOTをグローバルにサービス展開。

サービス定着の理由は「返せる安心感」にあった

──CHARGESPOTは、2018年のローンチ以降、国内で5万7000台以上設置されています。以前から他社の充電サービスがあった中で、それらとの違いをどう捉えていますか。

前提として、過去のサービスが失敗していたわけでは決してないと思っています。

従来のモバイル充電サービスは、端末を預けて、充電が終わるまで待つ設計が主流でした。携帯電話が「必要なときだけに使う道具」だった時代であれば、それで大きな問題はなかったはずです。

ただ、スマートフォンが普及して状況は大きく変わりました。連絡、情報収集、決済、娯楽まで、すべてがスマートフォン一つで完結するようになりましたよね。そうなると、「手元から離れる時間」そのものがストレスになります。つまり携帯は、「肌身離さず常に持ち歩くもの」に変化したのです。

このようなスマートフォンや携帯電話に対する価値観の変化に伴って、INFORICHでは、充電に求められている価値も変わったと考えました。単に電力を補給することではなく、「使い続けられる安心感」が求められているのではないか、と。

だからCHARGESPOTでは、「預ける」という従来の充電サービスの前提をやめました。充電しながら自分の手元に置き続けられること、移動しながら持ち歩けることが、スマートフォン時代の充電ニーズだと...

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