生活者の体験を通して、ブランド・商品価値を伝えることができるイベント。しかし、近年のイベントで重要なテーマになっているのが、「ブランド認知だけで終わらせない」ことだ。実際、体験提供のその先で購入を促したり、投資対効果を厳しく見たりする企業は増えている。では、認知だけで終わらせないイベントはどうつくればよいのか。その設計方法について博報堂アクティベーション・ディレクターの井上佳那子氏に話を聞いた。
コロナが明け、イベントが再注目されている。重要なのは、リアルの場で、商品などの価値やブランドの世界観を体感させることだ。
SNSの普及によってイベントの影響力が拡大
そんな中、博報堂アクティベーション・ディレクターの井上佳那子氏は、現在、イベント実施数はコロナ前の水準に戻りつつあると話す。
「コロナの反動で、企業主体の期間限定イベントの数が過去最高まで増えているかのように思えますが、個人的には、やっとコロナ前と同じくらいの盛り上がりに戻ってきた程度だと感じています。しかし、SNSの使われ方がコロナ前と少し違っており、自身がイベントに参加した様子を投稿する生活者が急増しました。その結果、イベント参加を訴求する投稿を見ることが自然と増えて、『あちこちでイベントをやっている』と感じやすい状況が生まれているのではないでしょうか。そう考えると、コロナ以前よりも、1つのイベントあたりの影響力は拡大しているといえるかも...

