生活者のアイデアを売り場改善や販促企画に変える 共創型コミュニティ「DAISOの輪」に見るファン戦略

公開日:2025年11月07日

  • 山田亜梨沙氏(大創産業)

国内に約4600店舗を展開する大創産業が、2023年12月に立ち上げたファンコミュニティ「DAISOの輪」。単なるファン交流の場にとどまらず、商品開発や売り場の販促施策改善にまで影響を及ぼす顧客との“共創プラットフォーム”へと進化している。この取り組みについて、大創産業のグローバル社長室 グローバル情報システム部 グローバルDX企画課 係長の山田亜梨沙氏に話を聞いた。

ファンコミュニティ「DAISOの輪」とは、ユーザーが自身の購買体験や商品の発見、活用方法などを投稿・共有し、他のファンと意見交換ができるもの。誕生した背景には、急成長するデジタル接点の中で、大創産業が抱えていた課題があったと同社の山田亜梨沙氏は語る。「デジタル施策として、SNSやアプリを通じたコミュニケーションを行っていましたが、当社からの情報発信が一方的なものになっていたことが大きな課題でした」(山田氏)。

さらに課題だったのは、顧客の声を拾い上げることだったと山田氏は話す。ダイソーでは毎月約1300点もの新商品を投入していることもあり、SNS上には膨大な顧客の声があふれているが、それらを拾いきることは難しかったのだという。

また、膨大な量の商品情報のみが配信されるのに対し、「企業の中の人のイメージ」や「どんな人がどんな思いでつくっているのか」までは伝えられていなかったと感じていた。「SNSに投稿してくれるお客さまは、きっとダイソーに対して熱量が高い方々だと思っています。そんな熱量の高いファンの方々が安心して語り合い、企業側とも相互にコミュニケーションを取れる場をつくりたいなと。そこでできたのが『DAISOの輪』。ファン同士が交流できるだけでなく、“お客さまとダイソーのお互いの顔が見える関係性”の構築を目的としています」(山田氏)。

ファンコミュニティ「DAISOの輪」

ユーザーによるコミュニティ投稿のイメージ。

一方通行の発信から“顔が見える関係性...

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