見落とされがちな空間も新たな接点に変わる 街をメディアに変えるアンビエント広告の可能性

公開日:2025年10月06日

    意表を突き、思わず写真に収めたくなる仕掛け。街と広告が一体化したようなクリエイティブ。日常の風景に溶け込みつつ、強く印象に残る存在、それがOOHの形態のひとつである「アンビエント広告」だ。今回は、Netflixや講談社のプロモーションを手がけてきたOOH専門エージェンシー・halfwaytheir(ハーフウェイゼア)の栗山太成氏と祐下芳輝氏に、その魅力と可能性、そして日本における課題と展望について話を聞いた。

    スマートフォンを開けば、どこにいても広告が流れてくる現代。生活のあらゆる場面が広告に接続され、多くの広告体験がデジタル空間の中で完結するようになった。一方で、近年強化されている個人情報保護の規制により、かつてデジタル広告の強みとされてきた高度なターゲティングが困難になりつつある。こうした変化を背景に、改めて注目を集めているのが、OOH、そのなかでも「アンビエント広告」と呼ばれる手法。従来の看板やデジタルサイネージといった広告枠にとどまらず、街やその景色をメディアとして活用し、風景や日常空間に自然と溶け込むように展開される広告手法だ。

    なぜ、今アンビエント広告か?

    OOHのなかでもアンビエント広告に注目が集まる背景には、広告業界を取り巻く環境の大きな変化がある。

    まずは、プライバシー保護の強化により、サードパーティークッキーの利用制限が進み、従来のような精緻なターゲティングが難しくなってきたこと。もうひとつは、情報過多の時代にお...

    この先の内容は...

    販促会議』 定期購読者限定です

    ログインすると、定期購読しているメディアの

    すべての記事が読み放題となります。

    購読

    1誌

    あたり 約

    3,000

    記事が読み放題!

    この記事をシェア