価格でも機能でもなく、“想い”が人を動かす 推し活からふるさと納税まで 応援が生む新市場

公開日:2025年10月03日

2025年9月号の巻頭特集は、「『買いたい』の理由は“応援”へ共感が導く新しい市場」です。「モノ消費」や「コト消費」、そして「イミ消費」の登場に見られるように、消費のあり方は時代や生活者の変化とともに、常にかたちを変えてきました。そんな中で昨今増えているのは、「この企業を応援したい」「このビジョンに共感したからサービスを活用したい」「応援する推し関連の商品を買いたい」といった感情のスイッチから起こる、「応援消費」「共感消費」です。その行動の背景には、商品の後ろにある誰かの“想い”に心を動かされ、自らの意思で選び取る消費の姿があるのではないでしょうか。

本特集では、専門家が語る応援消費の構造、日本の工芸品や自治体などの“想い”を重んじる企業や「推し」とのコラボ事例への取材を通して、「応援消費」「共感消費」の現在地に迫ります。

応援消費をするファンたちはコミュニティ単位で共創している?

そもそも、誰かを応援したい、共感したという感情から生まれる「応援消費」「共感消費」は、従来の消費活動とはどのように異なるのでしょうか。東京都市大学メディア情報学部社会メディア学科教授の岡部大介氏は「社会的な意義」「コミュニティへの参加・共有」「創作・参加・共創...

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「買いたい」の理由は“応援”へ

「モノ消費」や「コト消費」、そして「イミ消費」の登場に見られるように、消費のあり方は時代とともに多様化し、常にかたちを変えてきました。そんな中で、いま生活者の購買行動を突き動かしているのは、「誰かを応援したい」「共感したから買いたい」といった感情のスイッチです。企業やブランド、地域、クリエイターなどへの“応援消費”が、世代を問わず広がりを見せています。いわゆる“推し活”もそのひとつと言えるでしょう。この新しい消費の原動力となっているのが、共感の熱量です。SNSでの発信、クラウドファンディング、サブスク支援、グッズ購入、リアルイベントへの参加──。その行動の背景には、誰かの“想い”に心を動かされ、自らの意思で選び取る消費の姿があるのではないでしょうか。本特集では、「応援」を軸にした最新の購買行動の潮流をひも解きながら、企業やブランドが生活者の“共感”をいかに設計し、販促・プロモーションへとつなげていくべきかを探ります。

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