商品とともに“思い出”を持ち帰る ポケモンセンターが明かす店舗空間のつくり方

公開日:2026年6月30日

  • 寺本康彦氏(ポケモンセンター)

キャラクターIPのグッズ店舗として代表的な立ち位置であるポケモンセンター。ポケモンの商品を届ける場所であると同時に、ポケモンと出会い、その思い出を持ち帰る場所でもある。店内で迎えてくれるポケモン、地域ごとに異なる空間演出、商品との偶然の出会い。その一つひとつに込められているのは、あくまで「主役はポケモン」という考え方だ。ポケモンセンターの店舗空間は、どのようにつくられているのか。



ポケモンセンタートウキョーDX

ポケモンセンタートウキョーDXのエントランス。出迎えるのは、左からピカチュウ、カビゴン、ミュウの3匹。
©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの商標です。

ポケモンセンターは1998年に東京・日本橋に1店舗目をオープン。ゲームの中で、ポケモンの体力を回復させる施設として登場する「ポケモンセンター」を現実世界に再現したオフィシャルショップとして、ポケモンとファンがリアルな場で出会う拠点をつくってきた。現在、ポケモンセンターは国内ではサテライトを含め18店舗。海外にもシンガポール、台北に常設店舗を構え、2026年中にはタイ・バンコクにも出店を予定している。

ポケモンは2026年で30周年を迎え、ビデオゲームのほか、アニメ、アプリ、カードゲーム、オンラインショップなど、ユーザーとの接点が多様に広がっている。そうした中で、ポケモンセンターの存在意義をどのように捉えているのか。店舗開発室の寺本康彦氏は、ポケモンが直営店舗を持つ意味を次のように話す。

「ポケモンをプロデュースする会社である私たちが直営店舗を持つことは、商品やサービスをお客さまに直接お届けできるという点で、大きな価値があると考えています。私たちが大切にしているポケモンの魅力・世界観・想いを、直接お客さまへお届けすることができることに加え、売上データだけでは測ることのできないお客さまの反応を事業へダイレクトに反映できることも強みです。2028年には...

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世界観を店舗空間に翻訳する IPと店舗デザイン

ECの普及やデジタルシフトが進む中、リアル店舗の役割は「単にモノを買う場所」から「その空間でしか味わえない、特別な体験を受け取る場所」へと変化しています。その代表的な例が、アニメ、ゲーム、マンガ、映画などの強固なファンベースを持つ、IP/コンテンツホルダーの店舗です。それらの店舗は、単にキャラクターグッズを並べているわけではないはずです。五感を刺激する空間演出、作品の世界観とズレがない内装デザイン、ファン心理をくすぐる商品展開、自然とSNSシェアを促す仕掛け、そして「何度も訪れたくなる」“拠点”の構築まで、ファンを魅了し続けるための「細部への圧倒的なこだわり」が存在するのではないでしょうか。本特集では、独自の世界観をリアルな店舗空間へと翻訳し、ファンに愛される店舗づくりの裏側にある「創意工夫」と「想い」を紐解きます。空間デザイン、動線設計、限定性の演出、ファンとのつながりを深める仕掛けなど、単なる物販ビジネスの枠を超えた「ファンなら何度でも必ず訪れたくなる店舗」のつくり方のヒントを探ります。

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