たまごっちはなぜ原宿に工場をつくったのか “好き”を持ち帰る体験と世界観を決めつけない店づくり

公開日:2026年7月06日

  • 天野のぞみ氏(BookLive)

キャラクターIPのリアル店舗には、商品を販売するだけでなく、ファンとの接点を深め、継続的な来店動機を生み出す役割が求められている。たまごっち初の体験型店舗「たまごっちふぁくとり~!」が目指すのも、単なるグッズ販売の場ではない。原宿で、ファン同士やスタッフとのコミュニケーションを生み出しながら、何度でも訪れたくなる店舗体験をどのように設計しているのか。BookLive OMOライツ本部 OMO推進部店舗企画開発チームの天野のぞみ氏に聞いた。

原宿に、たまごっちをつくる工場があるとしたら─。そんな想像をリアル店舗としてかたちにしたのが、たまごっちの常設店「たまごっちふぁくとり~!」だ。

店頭入口で来店者を迎えるのは、初代たまごっちのデザインをまとった巨大オブジェ。多くの来店者が足を止めて記念撮影を楽しんでいる。
© BANDAI

物販も充実している。オリジナル商品は約30~40品。季節に合わせて順次追加しているほか、店舗限定のコラボ商品、他メーカーから仕入れた一般商品、「Tamagotchi Paradise」や「Original Tamagotchi」なども揃える。
© BANDAI

自分だけの「たまごっち」を来店者が主役の工場体験

なぜ、リアル店舗で“工場”という世界観をつくったのか。バンダイ協力のもとで店舗を展開し、店舗企画を担当したBookLiveの天野のぞみ氏は、その狙いを次のように語る。

「『たまごっちふぁくとり~!』で重視したのは、商品を買うだけで終わらない店舗体験をつくることです。たまごっち初の体験型店舗として、来店者自身が“たまごっちのわくわくする...

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ECの普及やデジタルシフトが進む中、リアル店舗の役割は「単にモノを買う場所」から「その空間でしか味わえない、特別な体験を受け取る場所」へと変化しています。その代表的な例が、アニメ、ゲーム、マンガ、映画などの強固なファンベースを持つ、IP/コンテンツホルダーの店舗です。それらの店舗は、単にキャラクターグッズを並べているわけではないはずです。五感を刺激する空間演出、作品の世界観とズレがない内装デザイン、ファン心理をくすぐる商品展開、自然とSNSシェアを促す仕掛け、そして「何度も訪れたくなる」“拠点”の構築まで、ファンを魅了し続けるための「細部への圧倒的なこだわり」が存在するのではないでしょうか。本特集では、独自の世界観をリアルな店舗空間へと翻訳し、ファンに愛される店舗づくりの裏側にある「創意工夫」と「想い」を紐解きます。空間デザイン、動線設計、限定性の演出、ファンとのつながりを深める仕掛けなど、単なる物販ビジネスの枠を超えた「ファンなら何度でも必ず訪れたくなる店舗」のつくり方のヒントを探ります。

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