生活者の購買行動が多様化し、国内人口も減少している。そんな中でメーカーは、いかに再現性高く購買までつなげられる施策を実行できるかに重点を置くことも多くなった。そこで重要なのが、「購買起点」でマーケティングを設計する発想だ。味の素AGFは、リテールと一緒になって生活者へ価値を届ける“共創マーケティング”を推進。購買データや生活者解析をもとに、売り場づくりからリテールメディア活用、習慣化までを一気通貫で取り組んでいる。購買を出発点に、ファン化を実現する戦略を同社の吉岡聡史氏に聞いた。
購買起点の発想支える新組織 ソリューションパートナー推進部
「ブレンディⓇ」などのコーヒー、嗜好飲料製品を展開している味の素AGFは、購買を起点にマーケティング・販促活動を長く行ってきた飲料メーカーだ。ショッパーの分析を通じて、生活者を主語に据えた流通パートナーとの共創やファンづくりに注力してきた。
そんな同社は2025年7月、ソリューションパートナー推進部という部門を新たに設立した。同部は営業部門の中に設置されているトレードマーケティングとショッパーマーケティングを担う新組織だ。
同部門に属している吉岡聡史氏によると、同部のミッションは、“リテールとの共創マーケティング”を推進することにあるという。「当部門が目指しているのは、リテールとメーカーがともに、生活者への新たな価値を提供していくことです。そのような観点...

