カルビーが2020年に開始した「ルビープログラム」は、単なるポイント制度ではなく、食べ終えたパッケージを折って登録する「折りパケ」を入口に、顧客と直接つながる仕組みを築いた。従来は活用できていなかった顧客データを生かし、購買行動やブランド体験を拡張してきた同施策は、開始から5年で100万ダウンロードを突破。施策設計の裏側と今後の展望について、同社Calbee Future Labo CXチームの関口洋一氏に聞いた。
カルビーが2020年に開始した「ルビープログラム」は、環境への配慮と生活者参加型の楽しみを両立した取り組みだ。
それまで、はがきで応募する形式の大規模キャンペーンを展開してきた同社。応募はがきからは膨大な顧客データが集まっていたが、そのデータの多くは破棄されていたと、同社の関口洋一氏は当時を振り返る。「応募はがきのお客さまデータを活用せずに破棄してしまっていました。どのお客さまがどの商品を食べたかまで把握できる可能性があり、捨てていてはもったいないという問題意識が出発点でした」(関口氏)。
そこで立ち上げたのが、「ルビープログラム」。食べ終えたパッケージを折ってアプリで読み込む「折りパケ」を行うと、ユーザーにはルビーが付与される。一方カルビーには、折りパケの登録時に顧客データが集まるため、誰が、どの商品を食べたのかが追跡できる設計だ。「私たちとお客さまの接点は、ずばり“食べる瞬間”にあります。従来は“食べて終わり”でしたが...

