玩具メーカー以外にも広がるキダルト消費の追い風 「マジョレット」に見る、玩具事業本格参入の狙い

公開日:2026年10月02日

  • 奥田薫氏、工藤久美子氏(カバヤ食品)

約50年にわたり、多くの子どもたちに親しまれてきたダイキャストミニカー「マジョレット」が、時代の変化とともに、大人が趣味やコレクションとして楽しむ存在へと広がり始めている。こうした市場環境の変化を捉え、カバヤ食品は2026年3月、「マジョレット」を軸とした玩具市場への本格参入を発表した。同社が挑むのは、これまで菓子売り場を中心に展開してきたブランドを、玩具単体の商品として新たな市場へ広げていくことだ。

1946年に創業したカバヤ食品。「セボンスター」や「ほねほねザウルス」など、玩具菓子市場でも数々の人気ブランドを育ててきた。なかでも、フランス生まれのダイキャストミニカーである「マジョレット」は、1978年に日本での独占販売権を取得し、同年から販売を開始。以来、玩具付きのお菓子として展開し、ファンに愛されてきた。

しかし、長い歴史を持つ「マジョレット」だからこそ、時代の変化に合わせた新たな可能性も見えてきた。それが、子ども向け玩具の枠を超え、大人が自分のために選ぶ「コレクションブランド」としての可能性だ。

近年は、大人が自らの趣味や嗜好のために玩具を購入するキダルト消費が広がっている。実車の再現度が高い造形や、集める楽しさを持つ「マジョレット」にとって、こうした市場の変化は新たな顧客と出会う機会でもある。

そんななか2026年、同社はこれまで玩具付きの菓子製品として、菓子売り場を中心に展開してきた「マジョレット」を、お菓...

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少子化が進む一方で、国内の玩具市場は拡大を続けています。その背景のひとつとして存在感を高めているのが、自分のために玩具やホビー商品を購入する大人、いわゆる「キダルト」です。かつて子どものものと捉えられてきた玩具は、いまや大人にとっても、つくる、集める、競う、獲る、飾る、つながるといった多様な楽しみを伴う消費対象になっています。さらに、大人が主要な顧客となることで、商品企画や売り場、価格、販促、コミュニティのつくり方など、玩具ビジネスのあり方にも変化が生まれています。本特集では、玩具市場の現在地を捉えながら、キダルト消費を象徴するさまざまな商品や売り場、サービスを取材。二次流通や投資、リバイバルといった周辺の動きも含め「大人が玩具を買う」という現象の先にある、消費とビジネスの構造変化を探ります。

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