「買う量が減る時代」にどう向き合うか 消費者のジレンマから考える2026年の売り場設計

公開日:2026年2月02日

  • 三島大輝氏(マクロミル)

買い物の頻度は変わらないのに、買う量は減少傾向にある消費者。価格を見極め、手間もかけたくない……マクロミルの消費者購買履歴データ「QPR」が示すのは、節約の先にあるシビアで合理的な買い方だ。同社のシニアマネジャー/マーケティングデータアナリストの三島大輝氏に、2026年に売り場が準備すべき視点を聞いた。



マクロミルは、消費者購買履歴データや意識調査をもとに、生活者の行動変化を定点観測しています。データから見えてきた3つの変化をもとに、2026年における売り場の役割を整理していきたいと思います。

「ついで買い」が消えつつある時代の数量回復策とは?

この1年の購買データで最も特徴的なのは、「買い物回数はほぼ横ばいなのに、1回あたりの購入数量が減り続けている」点です(図1)。この背景にあるのは、賃金と物価のギャップです。消費者物価指数は2021年比で約13%上昇している一方、名目賃金指数の上昇は約9%にとどまっています(図2)。

図1 買い物回数と買い物数量

※2021年を100とした場合の指数
※マクロミル消費者購買履歴データ「QPR」より作成
※データの対象商品は食品および日用品

図2 消費者物価指数と名目賃金指数
(2021~2025年)...

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ショッパーインサイト大予測 2026

購買の場におけるデジタル化が加速し、データとして蓄積できるようになったことにより、「誰が、いつ、どこで、何を、なぜ買ったのか」を具体的な時間軸で振り返ることが可能になりつつあります。アプリやEC、リテールメディアなどのデジタル接点を通じて、これまでは見えなかった購買の周りで起きている行動が可視化され、買われるまでのプロセスの実態を捉えられるようになってきたためです。 とはいえ、すべてがわかるようになったわけではありません。データはあくまで行動の結果であり、ショッパーの気持ちそのものを完全に捉えるものではないからです。カテゴリーや業態によって、見える範囲に差があることも事実でしょう。 それでも、立場や視点の異なる知見を重ねていけば、いくつかの共通点が浮かび上がってくるはずです。導き出された共通点は、ひとつの仮説になり、これまで勘や経験、感覚に頼ってきた売り場づくりや販促施策の判断を確かなものに近づけてくれるのではないでしょうか。 そこで本特集では、広告会社や調査会社に直近1年で見え始めた「買われ方の変化」を聞きました。その変化をもとに、2026年のショッパー(買い物客)のインサイトを予測し、売り場で準備することをまとめています。さらにメーカーの視点からも、変化をどのように捉え、何を見て販促のアプローチを判断しているかを探りました。過去をどう読み解くかが、次の一手を左右する。2026年の買い物客は、売り場でどんな行動をとるのでしょうか。

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