値引きしても響かないのはなぜか 価格訴求の効くとき、効かないとき

公開日:2026年5月01日

  • 兼子良久氏(山形大学)

値引きやクーポンは販促の定番施策だが、いつも同じように効くわけではない。生活者は価格そのものではなく、自分の中の基準や比較の文脈の中で、その価格を評価しているからだ。価格訴求が有効に働く条件と、逆効果になりうる落とし穴を、理論と実務の両面から読み解く。

お得感はどう生まれるのか 内的/外的参照価格を理解せよ

価格は、販促の現場で最も手軽に使える武器のひとつだ。生活者の背中を押す施策として、価格訴求は定番であり続けている。一方で、価格を下げれば人が動く、というほど単純でもない。なぜ同じ価格でも「高い」と感じるときと「お得」と感じるときがあるのか。価格は生活者にどう受け止められているのか。

山形大学 人文社会科学部 教授の兼子良久氏は、価格の判断において重要なのは、金額そのものではなく、生活者の頭の中にある基準だと指摘する。その代表が「内的参照価格」だ。内的参照価格は、過去の購買経験などをもとに生活者の記憶の中に形成された“これくらいだろう”という価格の物差し。提示された価格がこの基準より高いと割高、低いと割安、近いと妥当と判断される。

「例えば2000円のTシャツでも、自分の中で1500円くらいが妥当だと思っていれば...

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