暦より「体感」が、価格より「高揚」が鍵に 売り場を“気分が上がる場所”にできるか

公開日:2026年1月30日

  • 永野 薫氏(電通プロモーション)

電通グループ4社の統合により、2026年1月に発足したCXMを軸にした統合型プロモーション会社の電通プロモーション。同社リテール企画戦略室リテール企画1部専任部長の永野薫氏が考えた、直近1年の消費者による“買われ方の変化”とは。そして2026年のショッパーをどう捉え、売り場は何を準備すべきなのか。

ここ数年、私たちの買い物は「毎年同じ」とはいかなくなってきています。象徴的なのが気候変動。猛暑や残暑の長期化によって“暦どおり”の季節感は揺らぎ、消費のタイミングもずれ始めました。ユニクロによる調査では約9割が「四季らしさがなくなってきている」と回答しており、生活者の実感も今までの前提から変わっていることがうかがえます。

一方で、買い物の欲求そのものも二極化しています。デジタルが生活の中心になったからこそ、画面越しでは得られない五感を通じた確かな充足感が求められ、モノ選びの基準に入り込んできました。さらに物価高で節約意識が強まるなかでも、「気分が上がる」体験への支出は簡単には消えていません。安さだけでは動かないが、感情が動くなら買う。そんな新しい現実が、売り場の勝ち筋を塗り替えつつあります。

新常識は「体感温度で売る」新・52週販促が前提に

猛暑や残暑の長期化により、...

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ショッパーインサイト大予測 2026

購買の場におけるデジタル化が加速し、データとして蓄積できるようになったことにより、「誰が、いつ、どこで、何を、なぜ買ったのか」を具体的な時間軸で振り返ることが可能になりつつあります。アプリやEC、リテールメディアなどのデジタル接点を通じて、これまでは見えなかった購買の周りで起きている行動が可視化され、買われるまでのプロセスの実態を捉えられるようになってきたためです。 とはいえ、すべてがわかるようになったわけではありません。データはあくまで行動の結果であり、ショッパーの気持ちそのものを完全に捉えるものではないからです。カテゴリーや業態によって、見える範囲に差があることも事実でしょう。 それでも、立場や視点の異なる知見を重ねていけば、いくつかの共通点が浮かび上がってくるはずです。導き出された共通点は、ひとつの仮説になり、これまで勘や経験、感覚に頼ってきた売り場づくりや販促施策の判断を確かなものに近づけてくれるのではないでしょうか。 そこで本特集では、広告会社や調査会社に直近1年で見え始めた「買われ方の変化」を聞きました。その変化をもとに、2026年のショッパー(買い物客)のインサイトを予測し、売り場で準備することをまとめています。さらにメーカーの視点からも、変化をどのように捉え、何を見て販促のアプローチを判断しているかを探りました。過去をどう読み解くかが、次の一手を左右する。2026年の買い物客は、売り場でどんな行動をとるのでしょうか。

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