メーカーが直営店を通じて顧客と直接つながる動きが広がる中、カンロの「ヒトツブカンロ」は店舗と顧客データを活用した新たな顧客体験の創出に挑んでいる。2024年に開業した原宿店では、来店者の行動データを収集・分析し、ECと連携させる試験運用が進行中だ。同社では同店をコミュニケーション型の直営店舗と位置づけ、顧客理解の深化とファン育成を目指している。

ヒトツブカンロ原宿店。

2012年、「ヒトからヒトへつながるヒトツブ」というブランドコンセプトのもとに誕生した「ヒトツブカンロ」。これまでの約10年間はグランスタ東京店、ポップアップストアやECを中心に商品を展開し、飴やグミなどのキャンディをギフトとして楽しむ新たな文化を築いてきた。
そんな同ブランドが、2024年4月に2店舗目を構えたのが「ヒトツブカンロ原宿店」だ。出店地である原宿は、Z世代をはじめとするトレンドの発信地であり、訪日外国人の人気スポット。この場所に出店した目的は、新たな顧客層とのリアルな接点を通じて、ブランドの世界観に“触れ、共感し、店舗で感じたことを発信してもらう”ことだ。
その目的を達成するため、同社は...