「栄養バランスを考えるのがめんどくさい人に!」インパクトのあるコピーが目を引く日清食品の「完全メシ」は、発売から約5カ月で500万食を突破。これまでの常識を覆す新コンセプトが、短期間で多くの消費者に受け入れられた理由とは?ブランドマネージャーの金子大介氏に聞いた。
栄養とおいしさのバランスが「完全」
──「完全メシ」とはどういった商品なのでしょうか。
オーバーカロリーによる肥満、偏った食生活による新型栄養失調など、現代人が抱える課題を解決したいという思いから開発しました。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)で設定された33種類の栄養素をバランスよく摂取できます。また、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素も理想的なバランスになるように設計したほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸も摂取することができます。
一番のこだわりは「おいしさ」です。栄養とおいしさのバランスが完全になっていることを表現するため「完全メシ」というネーミングにしました。ラインアップも豊富で、「カレーメシ 欧風カレー」をはじめ、油そば、スムージー、グラノーラなど常温タイプ5品に、オンラインストア限定の冷凍タイプ5品、木村屋總本店と共同開発した「あんぱん」を合わせ、全11品で展開しています。

カレーや油そばなど一見ジャンクなラインアップを揃えることで、ターゲット層である30〜40代、特に男性の興味を引いた。
着実にターゲット層を取り込む
──どのような人たちをメインターゲットにしたのですか。
健康に気を使いだす30〜40代をターゲットに設定しました。栄養バランスを気にしないといけないが、自分ではどうしていいかわからない、また「栄養バランスを考えるのがめんどくさい」と思っている人たちです。普段の食生活で33種類の栄養素をバランスよく摂るのは難しいので、それを手軽に摂取でき、しかも「おいしい」という点を評価していただいています。累計販売数は発売から約5カ月で500万食を突破し、3秒に1個が売れている計算(2022年11月現在)です。
オンラインストアでは、購入された方の9割が「満足している」とアンケートに回答され、5人に1人がリピート購入されているなど、スピード感を持ちながらも、お客さまを着実にとらえることができたことに、大きな手応えを感じています。