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ヒットの仕掛け人に聞く

フジパン「マイクラフトベーカリー」最後のひと焼きが体験価値に

2020年10月に発売されたフジパン「マイクラフトベーカリー」は、購入後にトースターで焼くことで完成する焼きたてのパンを再現する新ブランドだ。食べる直前に焼くというひと手間を楽しむ体験価値の提供でファンの支持を集めている。

    DATA

  • 商品名:マイクラフトベーカリー
  • メーカー小売希望価格:おうちで焼きたてフレンチクッペ(3本入り)150円(税込)〜
  • 主な販路:全国のスーパーマーケットなど

自宅で焼きたてパンのおいしさを再現したい

──開発の経緯を教えてください。

安田:基本的に製パンメーカーは、均一な商品をたくさん作ることを目指しています。出来上がったパンに現れる線の幅まで細かく決めているメーカーもあります。一方で私たちは品質を維持しながらも、手作りの雰囲気を残したパンを届けることを目指しています。その最終到達点は1から自分で作ること。それは大変なので、私たちが9割まで完成させて、最後の1割で手作り感を届けられないかと考えていました。

この構想を実現するきっかけとなったのはコロナ禍による「おうち需要」です。家でできる楽しみを考えたときに、私たちが提供できるものが最後のひと焼きで完成するパンでした。

2020年の3月に開発を開始し、10月に関東で発売、2021年6月からは全国で発売しています。

──かなり短い開発期間だと思います。

坂田:開発期間は短いものの、試作は従来よりも多く行っています。見た目は白いパンですが、単純に焼きの温度を下げたり、時間を短くしたりしたわけではありません。店舗にオーブンがあるようなベーカリーに近い品質を目指していたので、風味や香りを再現する難易度は高かったです。

現在は通常シリーズ8種類と4月に発売した「アルチザン」ライン2種類を販売しています。通常シリーズは既存の工場設備で製造しています。

新たに発売した「アルチザン」は通常シリーズの好評を受けて、投資を行い専用の製造設備を用意しました。真空冷却装置の導入により、さらにベーカリー品質に近い商品を作ることができています。

商品
「ラスト・ワン・ベイク〜最後のひと焼きで最高のおいしさに〜」のコピー通り、トースターで焼くことによってベーカリー品質を届ける。通常、パンはしっかり焼き上げることで形状を維持できる場合が多いが、このパンは原料の配合や製造工程で調整した。新たに発売した「アルチザン」シリーズでは新規の製造設備に投資。真空冷却装置によって、より難易度の高いパンを製造できるようになった。

売れ続けることが重要

──ラインナップはどのように決められたのでしょうか。

安田:開発のルールとして3つのポイントを設定しました。まずは王道の商品を中心にすること。フランスパンやクロワッサン、カレーパンなど名前を聞いただけで誰もがイメージできるようなもの。パンの新商品はメロンパンなら「チョコメロンパン」など、王道にひねりを加えたものが多い。マイクラフトベーカリー最大の特徴である最後に焼くという商品特性も、王道ラインアップで...

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