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流通・メーカー 店舗と商品の活用

新常態のブランドのあり方とは顧客とともに成長する企業

「インターネット時代のワークウェア」を展開するオールユアーズ。そのブランドのあり方は今の時代にフィットしている。同社代表の木村まさし氏に話を聞いた。

拡張するファッションの領域

オールユアーズは、ブランド自体のあり方、広がり方が新しい。同社は社名にあるように、「顧客と一緒につくりあげる」という志向でブランドを育てている。「オールユアーズは課題感をもって生まれたブランドです」と同社代表の木村まさし氏。

「アパレルの販売員やっていて感じたのは、ファッション業界は、コレクションによってトレンドが生まれて、それを追いかけて今売れるものを売っているということです」。だが、2011年の東日本大震災をきっかけに木村氏の価値観が変わったという。

「トレンドに振り回されるのではなく、長く着られて、これでいいやと思えるものをつくりたいと考えるようになりました。私はアメリカの古着が好きで、150年以上つくられてきたリーバイスのような存在をイメージしています。着る人が気持ちよくなるにはどうすればいいのかと考えて、“常にあなたから始める”という意味のオールユアーズを設立しました」。

オールユアーズのロゴが少し左に寄っているのも、YOUがセンターにくるようにレイアウトしているからだ。「常にあなたが中心である」ブランドのあり方を表現している。

そのような同社の製品コンセプトは“着ていることを忘れてしまう服”。従来は外装で自分を表現することが多かったが、いまや自己表現の領域はSNSが多くなり、服で表現することが少なくなった。ファッションの領域が拡張され、着ている服ではなく、起業、社会課題、環境、ジェンダーに関心があるといったスタイルが重要になった。

「今の時代は、態度・行動で自己を表現するようになりました。必ずしも服で表現しなくてもよくなったのです。そういった自分を表現する行動をするための活力が生まれるような服を目指しています」と木村氏は話す。

同社は、ただ商品を提供するのではなく、顧客とともにブランドをつくりあげることを志向している。「着たくないのに、毎日着てしまう。」というスローガンのブランド「FAST PASS」は、クラウドファンデングで資金調達を行い3000万円ほどが集まった。

木村氏は「このブランドをリリースしたときに、自分たちでやったという実感は少なかったです。支援してくれた人が盛り上げてくれて、みこしを担いでもらった感覚が強かったです」と話した。どのように考えてブランドづくりをしているのか。

店舗

世田谷区池尻にあるフラッグシップストア。「みんなが参加できるみんなの場所」というコンセプトで運営。

顧客と一緒につくりあげる

木村氏が一番気を付けていることは、顧客のことを顧客ではなく「共犯者」と呼ぶことだという。

「オールユアーズの考え方として、企業は企業単体としては成り立たないと考えています。良いと思ってくれる人がいることで、ブランドとしての価値が成り立つのです。顧客がブランドをつくってくれるという考え方です。その人たちと共犯関係をどう結んでいくのかが大事。彼らは私たちと共犯者なのです」。

どうしてもファンビジネスという考え方だと、顧客にどう行動してもらうかを考えがちだ。しかし、自分たちにどう共感してもらうのか、共犯関係でどういうことができるのかを考えることが重要だと木村氏。「共犯者を募集」というスローガンで、ブランドに関わってくれる人を募るかたちで事業を進めている。

「ブランドとは“私たちの物語”です。私たちというのは買ってくれる人も含めた意味合いです。どう語っていくのか、どうつくっていくのか。結末が決まっていない物語をみんなでつくっていくことがブランドの重要な役割だと思います。」

自分たちが...

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