成熟市場において求められる「アナログ」なアプローチ

公開日:2017年6月28日

旅行中の写真をあえて「写ルンです」のみにすることで、"特別な一枚"が生まれる。記録よりも記憶に残る一枚に。

イラスト:高田真弓

富士フイルムのレンズ付きフィルム「写ルンです」がブームである。2012年に最盛期の20分の1まで販売数が落ち込むも、一昨年の夏ごろから人気が再燃。この2年で売り上げが5倍に増えた直営店の例も。ブームの中心にいるのは10代から20代の若い女性という。

それにしても、今やスマホのカメラの画素数は1000万を超え、もはやデジカメと遜色ない。そんな時代に、なぜ「写ルンです」なのか。

鍵は、ブームの中心にいるのが10代から20代の若い女性である点。つまり──デジタルネイティブ世代だ。彼女たちにとって「写真を撮る」行為は、もはや日常の記録でしかない。友人と一緒に、スイーツの一皿、街の風景──etc。毎日、何かを写しては、インスタグラムに上げる。もはや日記と同じだ。上の世代と比べて、圧倒的に写真を撮る量が多い。

しかし、それゆえ彼女たちは写真に対して"特別な1枚"という感覚が薄れてしまった ...

この先の内容は...

販促会議』 定期購読者限定です

ログインすると、定期購読しているメディアの

すべての記事が読み放題となります。

購読

1誌

あたり 約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる連載

「買う」5秒前2

「買う」5秒前2