この講座で学ぶのは…
予算配分で頭を悩ませるのがクリエティブに対する予算のかけ方である。タレントを起用しても芸能露出だけになってしまっては本末転倒だ。ここではクリエイティブにかける予算配分について事例を通じて学ぼう。
マスメディアを実施する予算がなくとも悲観する必要はない
かつて、まだ私が営業だった頃。ある得意先からオリエン資料が手渡された際、依頼事項にテレビCMが入っていなかったことがあった。会社に戻る道すがら、クリエティブディレクターの先輩は言った。「この仕事、テレビCMがないなんて、終わったな」(得意先のみなさまスミマセン)。でも事実そういう時代だった。テレビCMの影響力は絶大であったし、その制作の仕事が花形だった。かつてほどではないが、今もなおテレビCMのリーチ力は非常に強い。もしテレビCMが実施できる潤沢な予算があるならば、まず検討すべきはテレビCMだと思う。
しかし実際そのサイズの予算の仕事は減った。正確には言えないが、私の周辺にも非マスメディア領域の仕事に携わるクリエイターが増えている。ただ、私も含め、みんなその状況を全く悲観はしていない。なぜなら我々にはSNSという新しい武器ができたから。SNSを駆使すれば、テレビCMを大きく凌駕する拡散を巻き起こせる可能性がある。場合によっては世界中に轟くクリエイティブを送り出すことだってできる。あらためて言うまでもないが、むしろ20〜30歳代のクリエイターにとってはその予算サイズの仕事はチャンスである。
最近増えてない?
動画+αが実施できる位の予算の仕事
前述のような話がされるようになったのは、3〜4年前からだろうか。そんな中テレビCMに代わって、時代の主役になるかもしれないと言われているのがWeb動画だ。YouTubeを主なプラットフォームにしながら、どうやったら100万回再生を超えられるか?バズらせるために、あらゆる知恵が絞られているというのが現状ではないだろうか。
一方、出稿主のみなさんの間でも、Web動画に関わる理解はここ数年急速に進んでいる気がする。「Web動画つくってください」という依頼も増えた。さらにここに来て急増しているのが「マスメディアが実施できるほどの予算は無い ...