広告関連会社に聞くAIクリエイティブ 現在の体制と2027年の予測(2)

公開日:2026年10月30日

タングル
南雲武彦
取締役/
クリエイティブディレクター

A1.AIは人の発想や判断を広げるツール

タングルでは、AIを人の発想や判断を広げるツールと捉え、どんな価値を生み出し、どう形にするかを決めるのは人だと考えている。グローバルな視点を大切にしながら、サービスデザインやブランディング、自社事業、XR開発など幅広い領域で、クリエイティブとマーケティングを横断し、デジタル化の先の体験まで設計することを重視している。

A2.定型作業を効率化し、自社事業では「ともに世界を探索するパートナー」へと発展させる体験づくりへ

企画・制作や情報収集などの業務にAIを活用し、定型作業の効率化を進めている一方で、自社事業では、AIを「検索するもの」から「ともに世界を探索するパートナー」へと発展させる体験づくりに取り組んでいる。今後はARとの連携も視野に、デジタルと現実を横断する新たな体験の可能性を探っている。

A3.人が何を感じ、誰とどう関わるかという体験の設計がますます価値を持つ

AIの進化によって、情報や表現を生み出すことが容易になり、デジタル上の接点も増えていく。だからこそ、2027年に向けては、人が何を感じ、誰とどう関わるかという体験の設計がますます価値を持つ。デジタルシフトが進むほど、身体性や対話、場の魅力が際立ち、オンラインとオフラインを横断するサービスデザインが重要になると考えている。

テー・オー・ダブリュー
村津憲一
代表取締役社長

A1.AIが体験デザインと融合することで成長エンジンになる

当社グループでは「AI for Experience Partner」を掲げ、AIが体験デザインと融合することで、中期成長戦略「プロモーションとリアルエンタメを横断するエクスペリエンス・パートナー」としての価値をさらに高める成長エンジンと位置付けています。「思考」「提案」「体験」「品質」を進化させるために、専任部門が主幹となり戦略立案・体験設計、制作・運営、効果測定といったワークフローへのAI導入を推進しています。

A2.イベントの空間デザイン・空間演出へのAI活用

当社グループが手がけるイベントの空間デザイン・空間演出へのAI活用が進み、イベントや体験の品質の向上に大きく寄与しています。また、オフライン・オンラインを問わずさまざまな「体験コンテンツ」におけるAIを活用した企画・制作や、当社の資産である過去のイベント・プロモーションデータを活用した、成果の予測やレビューの取り組みを進めています。

A3.AI×体験デザインで「WOWな新しい時代の体験」を

AIの進化により広告・マーケティング業界は大きな転換期を迎える一方で、人を動かし、感動や共感を生み出す「体験」の価値は今後さらに高まると予測しています。AI×体験デザインによって当社グループがつくり出す「生活者の想像や期待を超えるWOWな体験=新しい時代の体験」に、どうぞ、ご期待ください。

TBWA\HAKUHODO
細田高広
取締役兼執行役員
Chief Creative Officer

A1.デザインチームとプロダクションチームを中心に、制作フローの実験中

私たちはAIを効率化の手段ではなく、新しい創造の道具と捉えています。AIがなければつくれなかったものは何か――その問いに答えるために、デザインチームとプロダクションチームを中心に、制作フローの実験を進めています。同時に、AIだからこそ実現できるアイデアの開発に全員で取り組んでいます。

A2.ラジオ番組を生成「RADIO TIME MACHINE」

今年発表した「RADIO TIME MACHINE」はその代表例でしょう。生成AIで過去のニュースや音楽を組み合わせ、認知症の方の記憶に寄り添うラジオ番組を生成するラジオ型のデバイスです。現在、医師のチームが効果を検証しています。AIを活用していますがあえてAIを主役にはせず、語り口や時代ごとの音の質感まで、人の感性で丁寧に設計しています。

A3.社会的に意味のあるアイデアを実現するためにAIを使いたい

「AIか人間か」という二項対立で論じること自体が古くなると思います。鉄腕アトムがそうだったように、AIが人間以上に人間らしい感性を示すこともあるでしょう。大切なのは、どんな知性がつくったかではなく、それが何のためにつくられたか。誰を幸せにするのか。ビジネス競争の前に、まずは弱い立場に置かれた人を支え、社会的に意味のあるアイデアを実現するためにAIを使いたいと考えています。...

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2027年はどうなる? AI クリエイティブ 現状と未来予測

2026年の現在、AIによる効率化や生産性向上だけでなく、本質的なクリエイティビティを磨くための手段としてAIを取り入れるケースは珍しくなくなりました。すでに広告の世界でも企画フェーズや一部の制作にAIが使われていますが、エンターテインメント分野やコンテンツ産業も同様です。映画監督が世界的な映画祭でAIを使った作品を発表し、テレビ局や音楽レーベルなどのエンタメ企業も次々と専門部署やAIに特化したスタジオやチームを立ち上げています。そのような環境下で2027年に向けて、AIとクリエイティブの関係はどのように変わっていくのでしょうか。今回は多様な領域のクリエイターとともに、AIとクリエイティビティの関係性の現状、そして2027年、さらにその先まで含めた未来予測について議論していきます。f

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