これが今年の“ 要注目” 私的ナンバーワン!事例

公開日:2026年7月31日

※各アワードの受賞結果は上位のみ記載。 D&ADのBlack Pencilは2026年9月に発表予定のため、本結果は2026年7月時点の暫定版です。

Nestle/KitKat 「The KitKat Heist」(VML)@イギリス

  • Cannes Lions:PR部門グランプリ・ゴールド、Media部門・Social & Creator部門ゴールドほか

概要/イースター直前に起きた「12トンのキットカット盗難事件」という危機を、自虐とユーモアでエンタメ化した逆転のPR。公式が事件の発生を認め、謎を呼ぶミステリーに転換。購入者がロット番号で盗品か確認できるデジタル追跡ツールを導入し、悲劇的な物流トラブルを、世界中を魅了する一大ムーブメントに昇華させた。

解説/「The KitKat Heist」を挙げたのは、盗難事件を広告やPRのネタにしたからではなく、事件への対応そのものを、「KitKat」らしいブランド体験、参加型コンテンツ、報道価値のある物語に変えたからです。特に評価したのは、危機に無防備に飛びついた大胆さではなく、1枚のプレスリリースの配信から始めて反応を見ながらブランドの一貫性、リアルタイムの判断、法務を含めたリスク管理、生活者を巻き込む仕組みが、全てひとつのシンプルなアイデアで繋がっていた点です。(酒井美奈)

解説/イースター直前に起こった盗難事件を、被害者視点ではなく、ブランドのキャラクター性を活かしたユーモア溢れるPRで解決してしまうアイデア。公式SNSでの声明発表により深刻な事件を興味深いミステリーへと転換し、話題化に成功した。関心が最高潮に達したタイミングで「盗まれたキットカット・トラッカー」というツールを公開。閲覧者を能動的な「チョコレート探偵」として巻き込み、ロット番号のデータの確認を促すことで、キットカットの遊び心溢れるイメージを確固たるものにした。この出来事をブランド構築の現象へと変えてしまうアイデアが素晴らしい。(有川泰志)

URL:https://youtu.be/06LeHtOJRn0

Unilever/Vaseline 「Vaseline Verified」(Ogilvy Singapore)@シンガポール

  • Clio Awards:Creative Strategy部門・Direct部門・Use of Influencers部門 Grandほか
  • The One Show:Creator Content部門・Direct Marketing部門・Public Relations部門Best of Discipline(部門最高賞)、Members Choice賞ほか
  • D& AD:Digital Marketing部門・Commerce部門・Media部門・Experiential: Activation & Participation部門イエローほか
  • Cannes Lions:Creative Business Transformation部門・Creative Effectiveness部門・Creative Strategy部門シルバーほか

概要/2025年のカンヌライオンズでのHealth & Wellness部門グランプリをはじめ、多数受賞した「Vaseline Verified」の発展形。クリエイターとの利益共有、新商品開発、販路拡大まで事業モデルへ昇華し、企業の投資優先順位を変えるほどの持続的なビジネス変革を実現した。


解説/この作品がクリエイターを販促の担い手ではなく、...

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この記事が含まれる特集

世界のクリエイティブ 経営と社会を変革する人間の発想とAI実装

2026年も主要な海外アワードの結果が続々と発表されています。今年のカンヌライオンズでは、クリエイティビティを継続的に生み出す“組織の仕組みやカルチャー”を評価する「Creative Brand部門」が新設されたほか、あらゆる部門で経営課題と社会課題を両輪で解決するイノベーティブなプロジェクトが多数入賞しました。一方、応募者のAIの不正利用などを防ぐ健全性基準(Awards Integrity Standards)が導入され、一部の部門では「AI Craft」というサブカテゴリが新設されるなど、“AI実装時代” における表現や人間の発想とは何か、という投げかけが多く生まれています。社会におけるクリエイティブの役割が問われる中、審査員や現地を視察したクリエイターは世界のクリエイティブの現在をどう見ているのでしょうか。

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