「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションに、コンディショニングブランドを展開するTENTIAL。ブランド統括室の中に企画・制作機能を持ち、社内のクリエイティブチームの体制強化を進めている。

TENTIALブランド統括室 アートディレクター 岡本学さん、同 執行役員 ブランド統括室 室長横田康平さん、コピーライター 国井美果さん。
経営とクリエイティブが一体に
シリーズ累計100万セット販売を突破したリカバリーウェア「BAKUNE」などで注目を集めるTENTIALは2018年に創業し、2025年2月には新規上場(IPO)を果たした。そんな急成長中の同社のブランドコミュニケーションを統括しているのが、執行役員ブランド統括室室長の横田康平さんだ。「『健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。』というミッションのもと、マーケティングやカスタマーサポートなど、商品の製造以外は全て内製化を進めてきました。エンジニアの社員を多く内部に抱え、ECサイトの構築なども自社で担っています。内製化によってよりスピード感を持ち、各チームが業務を行っています」と話す。
インハウスでクリエイティブ制作チームを持つ体制もTENTIALの特徴だ。「ブランド統括室には“ブランド戦略”と“ブランドデザイン”という機能があり、経営とクリエイティブが一体となっている点が私たちの強みです」と横田さんは説明する。その役割は大きく2つある。1つ目は、競争が激しい環境に応じて、ブランドとして普遍的な価値を維持し続けていくこと。2つ目は、そうした経営・事業戦略を頭に入れながら、ブランドとしてクリエイティブのアウトプットに責任を負うことだ。
2024年11月には、サン・アド出身のアートディレクターである岡本学さんが入社。TENTIALのクリエイティブ全般のアートディレクションを担っている。「提案するクリエイティブが事業にいかに貢献するのかが常に問われる環境は、事業会社のデザインチームだからこそ。企業としての成長やミッションの実現に深く関わることができ、新たなやりがいを感じています」と岡本さんは語る。


TENTIALのミッション「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」を表現したミッションムービー。
“原点”を表現したKVとコピー
そんな岡本さんが手がけたのが、2025年2月のIPO時のキービジュアルだ。「上場は、TENTIALが社会やお客さまにどのような価値を提供しているのかを伝えるいい機会だと考えました。発信内容からゼロベースで検討した結果、上場直前にメッセージコピーを組み合わせたキービジュアルを制作しようと決定しました」(岡本さん)。
当初は「コンディショニング」そのものを表現する方向性を検討していたが、「“人類のポテンシャルを引き出す”というミッション自体を表現した方がいいのでは」という横田さんからの提案がヒントに。ブランドカラーの3色のグラデーションで「夜明け」を表現し、その中で女性が未来を真っ直ぐに見据えて立つキービジュアルが生まれた。
「だれも奪えないもの。それがポテンシャルだと思う。」というコピーを生み出したのは、コピーライターの国井美果さん。岡本さんは以前から企業ブランディングの仕事で何度もチームを組んだことがある。「企業メッセージを多く手がけたことがあり、強いコピーを書ける人にお願いしたかったんです。国井さんしかいないと考えました」(岡本さん)。
国井さんによれば、コーポレートブランディングにあたり大事なのは、その企業が①どこから来たか(原点)、②何者なのか、③これからどこへ行くのか(未来)、という3つの観点。「①の原点を見ると、③の未来に繋がる“マグマ”のようなものが見えてきます。原点を突き詰め、代替不可能な価値の部分を軸として言葉で定義することが重要です」と説明する。
制作にあたり、国井さんは創業者であり代表取締役社長の中西裕太郎さんへのインタビューを実施した。中西社長は10代のころにプロサッカー選手を目指していたが、病によって断念。“挑戦する人”を支える側になりたいという想いが、起業に繋がった――このストーリーを原点として伝えていくべきだと考え、生まれたのがこのコピーだった。「“人類のポテンシャルを支えたい”という切なる想いこそ、TENTIALにしかない独自の価値。ポテンシャルは一人ひとりにとって、だれにも奪えない唯一無二のものだという、企業にも人にも繋がるメッセージにしました」(国井さん)。


IPOの際に制作したキービジュアル。ブランド統括室の岡本学さんがアートディレクションを担当。コピーは国井美果さんに依頼した。
ミッションに共感する人材を募集中
急成長しているTENTIALでは現在、岡本さんらとともにインハウスで活躍するクリエイターを募集中だ。「経営との距離の近さや成長スピードの速さを肌で感じながら、事業会社の中でクリエイティブを具現化していく機会が多数ある。無限の可能性を秘めていると思います」(横田さん)。
主力事業のリカバリーウェアだけでなく、衣食住などの分野で新たな事業のプロジェクトも進行中だという。製品の販売はもちろん、プロアスリート向けコンディショニングプログラムなども提供するほか、海外展開も見据えている。「リカバリーウェア市場が拡大しているからこそ、追い風を受けてブランド投資をはじめとしたさまざまなチャレンジが可能なフェーズであり、やりがいは大きいです」と横田さん。
特に求めているのが、TENTIALのミッションに共感する人材。岡本さんが入社を決めたのも、ミッションやビジョンへの共感とともに「自らもクリエイティブの力でTENTIALのポテンシャルを引き出したい」という想いがあったからだ。「私たちはミッションに重きを置いて仕事をしています。ミッションに共感し、クリエイティブで事業を成長させる可能性を一緒に探っていきたいという仲間に出会えたら嬉しいです」(横田さん)。

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