ファンケルは3月9日、AI角層解析サービス「FANCL SKIN PATCH」の提供を開始した。実はこれ、単なる新サービスではなく、ファンケルのビジョンそのものを体現するブランドアクションと位置付けられている。「FANCL SKIN PATCH」の企画とコミュニケーション設計を担当している、博報堂の菅順史さんに話を聞いた。
ファンケルが3月に提供を開始した、AI角層解析カウンセリングサービス「FANCL SKIN PATCH」。
“いいものがあるのに、伝わっていない”
ファンケルの創業は1980年。創業者である池森賢二氏が化粧品による肌トラブルに悩む妻を見て、「安全な化粧品を提供したい」と無添加化粧品をつくり始めたことがそのルーツにある。以来、その思いは受け継がれ、企業理念は一貫して「正義感を持って世の中の『不』を解消」すること。消費者の課題を捉えた誠実なものづくりや、消費者とのダイレクトな接点である直営店舗や通販を軸に、規模を拡大してきた。
ところが、課題もあった。2025年8月にファンケルから行われたオリエンテーションの内容を、博報堂の戦略クリエイティブディレクター/PRディレクターの菅順史さんはこう振り返る。「一言でいえば、“いいものがあるのに、伝わっていない”ということでした。『ファンケルという名前は知っているし、高品質で信頼はできるけど、特徴がない。比較検討の際に名前を想起してもらいづらい』という課題があったのです。そのため、ファンケルというブランドを世の中にきちんと知ってもらいたい、というお題をいただきました」。
そうしたファンケルの課題意識は、2026年3月に発表された...


