フードブロガーやインスタグラマーなど、職業も出身地もさまざまな7人の外国人の男女が沖縄を訪れ、外国人目線で沖縄の魅力を切り取っていく。沖縄県のインバウンドキャンペーンとして実施されたWeb動画キャンペーンが大きな成果を上げた。
外国人目線の動画で沖縄の魅力を発信
日本国内から毎年700万人以上の観光客が訪れ、屈指の観光地として知られる沖縄県。だが、海外からの観光客はその10分の1にとどまり、インバウンド観光客の獲得が大きな課題となっていた。
沖縄県では、海外旅行客を地域により2つに大別している。1つは、沖縄県からの直行便やチャーター便があるアジア・東南アジア地域。もう1つは欧米豪露、つまりそれ以外の直行便のない地域である。沖縄県では前者をプロモーションエリア、後者をブランディングエリアと捉えている。今回の動画キャンペーンは、より高い客単価が見込まれる後者のターゲットに向けて、認知拡大と来訪意向を高めるために実施されたものだ。
「OKINAWA:A Journey of Discovery」と名付けられたこのキャンペーンは、欧米豪露出身の男女7人が、沖縄の人々と触れ合いながらその自然や文化を体験する10本の動画を公開するものだ。7人のキャストはそれぞれがフードブロガー、ミュージシャン、モデル/ダンサー、スキューバーダイバー、インスタグラマーなど、いずれも旬、かつ沖縄の観光資産を伝えるのにふさわしい専門スキルの持ち主。監督、撮影、編集はロンドンのグローバルプロダクションが担当し、外国人目線で沖縄の魅力を描き出すことにこだわった。
「広大なターゲットに限られた予算でアプローチするには、従来型の広告ではなく、動画コンテンツをコミュニケーションの中核に置くべきと考えました。Web上で視聴・拡散してもらうことを狙い、形式はテレビ感覚で見てもらえる台本なしのリアリティーショー。目指したのは、イメージビジュアル型の広告ではなく、視聴者がキャストの目を通じて沖縄を疑似体験できるブランデッドコンテンツです」と電通のコミュニケーション・プランナー佐々木美和さんは話す。
沖縄への海外旅客数が前年比165%に
動画の第1弾は昨年の9月に公開。以降12月末までに10本の動画を順次公開していった。コンテンツの拡散には、グローバルメディアネットワークを活用し、ネイティブアドの手法で旅行関連サイトをはじめ、食やマリンスポーツなど、各動画のテーマに関連するサイトに動画の紹介記事が広く露出するようにした。
こうした施策の結果、シリーズ動画総再生回数は190万回を突破。紹介記事のインプレッション数も2240万を超え ...