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リスク広報最前線

値上げ時の広報、消費者は騙されることに敏感 ライバル企業がアピールするときのポイントは

複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。

問題の経緯

2022年5月13日

物価の変動を受け、商品価格などの変更を広報する機会は今後増えていきそうだ。受け手が「騙された」と感じる情報発信になっていないだろうか。ブランド毀損や顧客離れは最小限にとどめたい。

©123RF


楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、決算説明会で、楽天モバイルの0円プランを2022年7月から廃止すると発表。「ぶっちゃけ、ゼロ円で使い続けられても困る」と漏らした。2021年4月から始めた同プランは、月間データ使用料が1GBまで0円で利用できるというもので、当初はその割安感をアピールしていた。新たなプランは、最低料金が1078円(税込)。20GB超は容量無制限で3278円(税込)という設定は維持した。

楽天モバイルが5月13日、新しい料金プランを発表しました。その内容は、月間データ使用量が1GBまでであれば0円であった従来のプランを変更し、7月1日以降は全ユーザーが有料のプランに自動的に移行するというものでした。

SNSでは「改悪だ」「解約を決心した」などの声が挙がり、同日午後1時頃には「楽天の携帯料金」「月額0円」などの言葉がTwitterのトレンドに入るほど注目されました。同時に、SNSでは「乗り換えようかな」とのユーザーの声も目立ち、乗り換え先の候補としてKDDIが提供するサービス「povo2.0」がTwitterのトレンドに入るほどでした。

企業が商品やサービスの内容を変更することが顧客離れなど自社に不利益な影響をもたらす場合、企業やライバル企業はそれぞれどのような広報をしていけばよいかを危機管理の観点から分析します。

サービス変更時に提示すべきことは

企業が事業活動を継続していく場合、物価の変動や環境の変化などの要因から、提供している商品やサービスの内容を変更することは避けられません。商品の仕様、商品価格・サービス料金の変更、利用規約の変更などはその典型です。今回の楽天モバイルの料金プランの変更も、その一つと言えます。

しかし、携帯電話のような通信事業は事業を行っている企業が少ないうえ、サービスの質に多少の差はあれども決定的な差はないことから、料金での競争になりがちです。そのため、値上げのような顧客に不利益になる変更が明らかになったときには、他の事業に比べると、既存顧客が他社のサービスに一斉に乗り換えることや新規の顧客が獲得しづらくなることは止められません。

それを止めるためには、楽天モバイルが値上げを発表すると同時に、他社への乗り換えをすることよりも楽天モバイルの利用を継続することや楽天モバイルと新規に契約することが如何に顧客にとってメリットであるかを公表することが必須です。

楽天モバイルの公表内容を見ると、料金プランの変更による顧客離れというリスクは予想していたように思います。例えば、不利益を受けるおそれのある既存の顧客に対しては...

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