害虫と決めたのは人間。益虫と決めたのも人間。勝手なんだから。
名和昆虫博物館/1999年
○C/仲畑貴志
まつ毛の先があつくなる
ホットカルピス/1982年
○C/土屋耕一
「icocca ua」
ユナイテッドアローズ/1998年
○C/一倉宏
広告コピーって、ふしぎ。コピーライターとして走り始めた20代半ば。ちまたにあふれる教科書をめくるたび、そう感じたのをとてもよく覚えています。広告コピーは消費されゆくことばのはずなのに、そうじゃないものがある。何十年も前に書かれたコピーに、ざわざわする。いいなあと、しみじみする。いつの時代でも、誰が目にしても同じようにそう感じさせる、文学でいうなら古典のようなものが、広告のコピーにあった。広告コピーの宿命ともいえる刹那とは対照的な普遍性がそこにあると知って、びっくりしたんだと思います。なにが「よくて」なにが「よくない」のか、そのモノサシをつくる過程で出会ったことばたちは、どれもすごく本質的だった。
仲畑貴志さんのコピーにもその手本はたくさんありますが、ひとつめは当時よく眺めていた『仲畑広告大仕事』から(現在絶版)。仲畑さんのコピーはどれも平易な言葉で、わかりやすくガツン!みたいなコピーばかりで。そこからひとつは決めがたいのですが ...