「ARCʼTERYX(アークテリクス)」が5月末、東京・代官山に「トーキョークリエイションセンター」を開設した。4階建ての建物を丸ごと使った空間に、さまざまな意図が散りばめられている。バイスプレジデントを務めるハワード・リヒターさんに話を聞いた。



「トーキョークリエイションセンター」(TCC)の1階。製品の試作などを行う円形の作業場のほか、インスピレーション源として、日本を象徴するさまざまなグッズが並べられている。
撮影:Tomooki Kengaku
日本ならではの“山”の捉え方
「アークテリクス」は、カナダのバンクーバーで生まれたアウトドアブランド。高度な機能とシャープな感性を備えており、登山シーンに限らずストリートでも人気を集めている。「トーキョークリエイションセンター」(TCC)は、バンクーバー、米国のポートランドに続き、世界で3つ目の拠点と位置付けられている。
「2年半ほど前から、『アークテリクス』の成長戦略を描いていく中で、東京にクリエイションセンターをつくるプランが浮上したのです」とハワードさん。なぜ東京なのか――まず、日本人が“山”に抱いている独特の感性――「ある種の神聖さをたたえた場と捉えており、時に崇め、時に畏れ、パーソナルでスピリチュアルな感覚がある。…