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デザインプロジェクトの現在

『おもしろい、かっこいい、楽しい』場を創った 新生「渋谷PARCO」

2019年11月22日、「渋谷PARCO」がグランドオープンした。渋谷は駅周辺に巨大ビルが登場し、新しい商業施設がどんどん増えている街──そんな中で、老舗ファッションビル「渋谷PARCO」がどんな顔つきになったのか、興味津々で取材した。

新しい渋谷PARCOの外観。正面の1階には赤いロゴを掲げたGUCCIのショップ。建築設計は竹中工務店、商業空間デザインの基本構想はイギリスに本拠を構えるデザイン事務所Benoyを起用。

元祖ファッションビルのリニューアル

駅前のスクランブル交差点から公園通りへ曲がりながら、ワクワクする一方、少しの不安もよぎっていた。

1973年、いわゆるファッションビルの先駆けとして登場した「渋谷PARCO」は、活きのいいファッションデザイナーのブティックを並べた業態として話題を呼んだ。しかも、アパレルに限らず映画や芝居など多様なカルチャーを発信し、ファッションという言葉の枠組みの広さを提案した。さまざまなクリエイターとパワフルな広告を打ち出したり、ユニークなイベントを行ったりと、今でこそ「モノよりコト」や「体験価値」と言われるが、それを体現した点でも新しかった。

当時、周囲には店がほとんどなかったロケーション。駅からわざわざを乗り越えるため、既存の通りに「公園通り」と名前をつけ、おしゃれな街灯や電話ボックスを配するなど、人を惹きつける工夫を散りばめ、街ぐるみの商業開発を成功させたのである。

その「渋谷PARCO」が"似たものが多い"他のファッションビル同様になってしまったらがっかりと思ったのである。

今回、打ち出したコンセプトは「世界へ発信する唯一無二の"次世代型商業施設"」。「『渋谷PARCO』というフィルターを通して"おもしろい、かっこいい、楽しい"を創ったのです」と、株式会社パルコで執行役渋谷店店長を務める柏本高志さん。ともすると、この手の商業施設のコンセプトは、カタカナを混えた堅苦しい言葉がずらり。破綻はないがリアリティも感じ取れないと首を傾げることが少なくないのだが、柏本さんの言葉はどこか違う。

お客とは、難しい文言を頭で納得するのではなく、おもしろさや楽しさを感覚で感じとるもの。そこをよく理解しているから、"おもしろい、かっこいい、楽しい"が出てくるのだ。しかも、一緒に取材に応じてくれた営業課課長の加部紗世さんも、苦労が多かったに違いないのに笑顔でいっぱい。「つくり手がおもしろがっていないものは、受け手であるお客に伝わるはずがない」と普段から感じていたことを、改めて確認したのである …

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